働き方改革関連法案の衆院通過!

query_builder 2018/07/22
時事問題編

とうとう「働き方改革関連法案」が衆院を通過しました。この改革法案の目玉は、❶年次 有給休暇の年5日取得の義務化、❷月60時間を超える残業の割増50%を全ての 企業に適用、❸労働時間の実態把握の義務化、❹同一労働同一賃金です。(P16 「働き方改革」関連法案(衆議院通過)資料ご参照)

いよいよ国による企業統治への露骨な介入が始まります。我々専門家にとってはビジネス チャンスですが、多くの中小零細企業にとっては死活問題です。


コンサルの現場から申し上げますと、現状が黒字ギリギリかあるいは赤字状態だからといっ て改革に後ろ向きな姿勢でいると、会社の将来を失ってしまう可能性が出てくることになると いうことです。


私は、今回の「働き方改革関連法案」は安倍政権の命運をかけた取り組みとみておりま す。また日本の企業全体の生産性の向上を図る最大のチャンスでもあると考えています。こ の取り組みを実施できなかった企業から、徐々に衰退していくことになると思われます。

というのも、今の日本では、景気の上昇により、①労働者の確保が困難、②労働者の権 利意識が向上、③ネットによる情報の検索が極めて容易、④人材ビジネスの急激な増加に より、若年者を中心に転職に抵抗感を持つ人は少数となり、より条件の良い会社で働きた いとのニーズが顕在化してきているからであり、今や社員の定着化を図る努力を企業サイド が積極的に行う時代となってきたからです。また人口減少社会である我が国は、現在の法 人件数385万社から20年後には200万社程度減少するといわれております。


この20年でアメリカの経済規模は2倍、欧州は平均1.6倍、中国は12倍と世界 経済は拡大していますが、我が国は1.1倍と低迷しています。従来日本が独り勝ちして いたものが、中国にとって代わられ、韓国にも奪われました。彼ら中韓から見てみると、<日 本が独りで勝手に転んだ>と映っているそうです。


これを悔しがるより、ここからどう立ち直っていけるかを考えた方が賢明といえます。働く意欲 の減少や、国民の豊かさの追及エネルギーの減少は、何故起きたのでしょうか。日本人はい ち早く、物質的な豊かさが、必ずしも心の豊かさにつながるわけではないことを知ってしまった からではないでしょうか。

現在の日本の経営者の平均年齢は60歳前後といわれています。中でも60歳を超 える経営者の多くは良く働きます。自分たちの世代は幼少期から人数も多く、競争の中で勝ち抜かねばならず、また大正、明治の生まれの親から、働くことの重要性を叩き込まれた 世代です。

キリスト教圏やイスラム教圏の国家では、ユダヤ教の影響を受けており、労働は罰であり、 できる限り早くその境遇から逃れたいという考えを持っていることから、機械化などの合理的手 法が編み出されてきました。労働は罰との発想は、働くことを喜びとする日本的な考え方とは 相反します。したがって他国と同じ発想で改革を行っても日本においてうまくいくとは限りませ ん。


今後は時代の変化に合わせつつ、上記「仕事世代の分類(資料②)」における、育っ てきたバックボーンの異なる世代を融合させて、日本的な改革を行っていくことが重要と考え ます。

そのために今回の「働き方改革関連法案」をマイナスに捉えるのではなく、プラスに捉えて 自社の改革に取り組んでいただきたいと思います。良い会社にするために今何ができるかを 考えていくことによって未来が見えてきます。



その前に自社でできることもたくさんあります。

① 労働品質に応じた給与体系の再構築

② 労働日数の短縮に応じた労務費の再配分

③ 賞与の在り方を再検討。賞与は業績の分配であることの周知

④ 働き方に応じた多様な雇用形態と評価制度

⑤ 働く意欲の欠如した社員への対策強化

⑥ 不正を働く社員への対策強化

⑦ 高年齢社員の働き方と給与の見直し

⑧ 無意識の犯罪行為の防止策 等

特に上記⑧を放置したままで、働き方改革を打ち出しても、<糠(ぬか)に釘(くぎ) >状態になってしまいます。

以前から気になっていましたが、労働問題の中で、特に鬱による休職に係るトラブルが頻 発しています。上司に叱責された翌日に鬱の診断書を出してきて休職を申し出るなどは、良 く受ける相談の一つです。弊社は医療法人のお客様も数多いのですが、正味の話、専門 家からの情報では、偽装鬱の疑いのある患者が3~4割いるのだそうです。自分が向かい 合うべき課題から逃げて、しかも自分の超えるべき課題を明確にしてくれた恩人(必ずしも そうとは言えませんが)にハラスメントの罪をかぶせて、国が設けた安全地帯に逃げることは、 一種の犯罪行為と私はみなしています。


私は、嘘は嫌いです。誰だって上司から厳しく叱責されれば凹みます。そこからどのように 立ち直って、課題を克服するかが、その人の人間性を高めていくのだと思います。それを安易に逃れようとする行為を、国が放置しているのが現状です。上記資料③はその対策の考え 方を示したものです。偽装鬱は犯罪であり、健康保険上の保険金詐欺です。民間企業で あれば疑わしい保険金受給者はリサーチの上、犯罪が発覚すれば刑事告訴します。国が 緩すぎるのです。この緩さによって納めるべき労使負担の健康保険料が増額され、正直者 が馬鹿を見ることになります。嘘によって他人の名誉を傷つけ、無関係の第三者に負担を強 いるような輩は、厳しく罰するべきだと考えます。


多くの企業で、より良い会社運営ができますようにと常日頃祈りつつ、お仕事をさせていた だいております。社内で無意識の犯罪行為が発生しないように、働き方改革の前に十分な 対策を講じていただきたいと思います。

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