リスクマネジメントの重要性!

query_builder 2018/06/22
時事問題編

5月6日の夜に残念なニュースが入ってきました。アメフトの関西学院大学ファイターズと日本大 学フェニックスの春季定期戦において、日大のDL(ディフェンスライン)の選手が、関学QB(ク オーターバック)に反則タックルをしたというものです。


私は1986年に関西学院大学商学部を卒業しました。当時アメリカンフットボール部はスポー ツ推薦がなかった時代であり、全国区の体育会クラブが少なかったこともあり、関西学院大学生にと っては花形であり、憧れの的であり、学生たちの誇りでした。


私が大学に入学した当時は、京都大学が初めて関西学生アメリカンフットボールリーグで連勝中 のKGファイターズを破って甲子園ボウル(当時は東西大学王座決定戦:2009以降全日 本大学選手権)に出場しており、関西学生リーグで2連覇中でした。34年間、学校行事であっ た甲子園ボウルに初めて行ったのが大学3年生の時でした。大学スポーツで甲子園球場が満員に なるほどの盛り上がりに、大興奮したことを覚えています。その時の宿敵が赤のユニホーム日大フェニッ クスでした。ショットガンフォーメーションで機械のように加点していくフェニックスに対して、スペシャルプレ ーで何とか必死に食らいつくKGファイターズの一進一退の攻防の中、最後はキック(1点差で負 けてしまう選択)を避け、パスを通し、42対42の同点に追いつき両校優勝という劇的な幕切 れでした。その際のアメリカンフットボールの規律立った動きや洗練されたフォーメーションの数々に感 動し、以降アメフトのファンになりました。


私の癖なのですが、贔屓のチームのライバルに大きな関心がいってしまいま す。今でも客観的に目の前の人の中に入っていって観察している自分がいる のですが、当時は日大フェニックスを率いる篠竹幹夫監督という名物監督に 興味を持ちました。フットボール一筋でおっかない顔をしていましたが、酒を一 滴も飲まず、学生ほど自分に尽くしてくれる者はいないとして一生独身を貫き、 フットボールに命を掲げた人物です。


憎いほどに強い日大でしたが、私は何故かこの篠竹監督の愚直な生き方 が大好きでした。この方がご存命であれば、今回の事件をどう思われるでしょ うか。きっと嘆かれると思います。


ラグビーにしてもアメリカンフットボールにしても、肉体のぶつかり合うスポーツ に共通しているのは、ルールに基づく教育です。反則行為は固く戒められます。 相手にけがをさせる指示などは言語道断であり、今まで聞いたこともありませ ん。残念なことですが今回の事件は、それが起きてしまったようです。


アメリカンフットボールの場合は、何十年も前からビデオで相手フォーメーションを研究し、臨機応 変の対応をしなければならず、IT化が最も進んだスポーツです。今回の反則を監督は見ていなか ったのでしょうか。


今や一億総監視社会と言われており、道路や繁華街、事務所ビル内やエレベーター内など、いた るところに監視カメラが設置されています。今回のような事件では、容易にこの映像が出回ることが 想定されるはずでした。しかも事件発覚後、責任者は雲隠れし、公の場で謝罪するまでに実に2 週間の時間が経過し、その間にTV、週刊誌、ネットなどを通じて多くの映像が配信され、結果的 に日大フェニックスの範疇を超え、日本大学全体にまで波及し、更に日本アメフト界のみならず、オリ ンピック競技にすべく、世界に普及を目指していた本場アメリカのフットボール界にまで波及していきま した。


日大には危機管理学部があるのは流石と感じましたが、皮肉にも自大学の行為に対する防止 策の指導にまでは至らなかったようです。 関西学院大学(KWANSEIGAKUIN:カンセイガクイン)の出身者は、関東や他 の地方に来て、関学=関東学院と言われることは、学校が関西圏であることや、長らく地方試験を 実施せず、いまだにマイナー感が拭えないことから、許すことができますが、『かんさいがくいん』は抵抗 感を持つ人が多いのではないでしょうか。

この度の内田正人監督は、両校の定期戦が半世紀を超え、50年以上にもわたっているにもか かわらず、わざわざ謝罪に来ての記者会見で、3回も学校名を言い間違えました。

自校の生徒に対して、「相手のQBを潰せ」との常識外の指示・命令を出しておきながら、そのラ イバル校の正式名称すらも覚えていない人物が、大学経営のNO.2という地位にいること自体、 最早救済の余地がないのではないでしょうか。


因みに私の父は日大の芸術学部の映画学科出身です。やはり普段から日大をOBとして応援 する身です。その父もさぞかしこの事態を嘆いていることでしょう。

この度の事件は、リスクマネジメント(危機管理)の面からみると最悪の状態です。以前この通 信で述べましたが、日本は<土下座文化>です。開き直りを最も嫌う民族です。そのことを今回の 事件を通じて、経営者の皆さんにはご認識いただきたいと思います。


〇シンドラーエレベーター事件

〇雪印乳業の賞味期限偽装事件

〇マクドナルドの異物混入事件

〇沢尻エリカ・ベッキーの開き直り会見


どれをとっても会見の後に致命的な結果をもたらす事態に発展しています。その逆に真摯で素直 な姿勢で心からの謝罪をした場合はどうなるでしょうか。世界中の民族の中で最も相手を許すことの できる民族、それは日本人です。この国では怒りを持続することができないほど国民の民度が高いの です。それは日本人特有の「水に流す文化」が浸透しているからです。


今回のことは、人として、指導者・リーダーとして出してはいけない指示であり、そもそもこの指示を 出した段階で、内田氏はスポーツマンとしてのみならず、リーダーとしても、さらには人としても終わって います。また出したコメントも嘘の上塗りを重ねて、事態を悪化させています。しかも記者会見まで2 週間もバックレたにもかかわらず、真相には程遠い不誠実な回答しか出さなかったわけです。さらに 日大アメフト部の監督辞任だけで、日大の常任理事としての地位保全に動くという自己保身の動 きに終始した態度に、潔さがみじんも感じられません。被害者である関学QBへの納得がいく説明 もなく、自校のDLの独断であるかのように生徒を切り捨て、到頭被害者の父から被害届を出され てしまう始末です。この一連の対応によってマスコミだけでなく、世間、実業界、米国アメフト界まで 全て敵に回してしまいました。


原因は、本人の意識の中に、本気の贖罪意識がなく、どこかで自分は被害者であるとの認識が 強いものと推測される点にあります。内田氏の開き直りに近いこの態度が、国民の怒りを買っている ことに、彼も、彼を取り巻く周囲の人間も理解していないのです。


内田氏は

・コンプライアンス違反をした

・現代社会における常識が不足しており、教育機関のトップに立てる人物ではない

・組織を滅ぼす3悪である「利己的である」「自己評価が高い」「プライドが高い」を全て持ち合わ せている、

大組織では珍しい人物といえます。


このままでは日大の在校生、OB、最も卒業生が社長になっている実業界に対しても多大な影 響が及ぶ恐れがあります。また愛する国内外のアメリカンフットボール界へも悪影響が及びます。


事態の収拾策としては

・すべての役職から直ちに離れ完全引退すること

・国内外のアメリカンフットボール界に対する心からの謝罪を行うこと

・被害学生と自校の反則を犯した学生に対する心からの謝罪を行うこと

・関西学院大学及びお騒がせした世間に対する心からの謝罪を行うこと

です。


その後、ほとぼりが冷めたところで退職金を受け取り、マスコミからの追撃を避けることです。世間が このことを過去のことと認識するであろう3年後あたりで、丁度65歳を迎えるころに、お呼びがかか れば非常勤理事あたりで復帰することくらいが落としどころではないでしょうか。

このことから学ぶことは、どのようなことがあっても、人の上に立つ人は嘘をついて開き直ってはいけな いということです。


『過ちては則ち改むるに憚ること勿れ』


私の座右の銘の一つを内田氏に贈りたいと思います。(5 月 22 日現在)


その後の経緯を申しますと、5 月 22 日に反則タックルをした選手の記者会見が行われ、23 日に 内田氏、井上氏の、選手の主張と食い違う内容の記者会見が行われ、25 日に日大の大塚吉兵 衛学長の記者会見が行われ、一連の対応について謝罪しました。また、29 日には、内田氏は関 東学生アメリカンフットボール連盟の理事会から除名処分を受け(これは事実上の永久追放に相 当する最も重い処分だそうです)、6 月 1 日に日大にて開かれた理事会において、大学の常務理 事職について 5 月 30 日付での辞任が承認されました。

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