今上天皇のパラオ慰霊

query_builder 2015/05/22
時事問題編

「先の戦争で亡くなったすべての人々を追悼し、その遺族の歩んできた苦難の道を しのびたいと思います」。 これは陛下念願のパラオ共和国ご訪問に際してお話になったお言葉です。 陛下は毎年元旦の午前5時半には宮中三殿に並ぶ神嘉殿の前庭にお出ましにな られ、庭中央の、屋根だけの東屋風の簡素な建物には清潔な青畳の上で、皇室の祖 先神が祭られている伊勢神宮に遥拝し、国の安泰と国民の幸福、農作物の豊作など を祈り四方拝を行われます。元旦の東京の日の出は午前6時50分頃、屋根のみした がって周りは暗く、厳しい寒さの中での厳粛な祈りです。このような誠に有難い存在で あり、日本の元首である貴いお方が我が国にはいらっしゃいます。 戦後70年に際し、米兵の慰霊碑にもお参りされ、敵も味方もなく、「すべて」の戦争 犠牲者を哀悼する陛下は日本のみの陛下ではなく、世界の陛下になられたのです。 平成 27 年 4 月 8 日(水) パラオ主催晩餐会における天皇陛下のご答辞 (ガラマヨン文化センター) 『戦後70年に当たる本年、皇后と共に、パラオ共和国を訪問できましたことは、 誠に感慨深く、ここにレメンゲサウ大統領閣下のこの度の御招待に対し、深く感謝 の意を表します。 今夕は、私どものために晩餐会を催してくださり、大統領閣 下から丁重な歓迎の言葉を頂き、ありがとうございました。また、この訪問に合わ せ、モリ ミクロネシア連邦大統領御夫妻、ロヤック マーシャル諸島共和国大統領 御夫妻がここパラオ国を御訪問になり、今日、明日と続き、私どもと行動を共にして くださることも誠にうれしく、心より感謝いたします。なお、この度の訪問を前にして、 ミクロネシア連邦を襲った台風の被害を耳にいたしました。ここに犠牲になられた 方々を悼み、御遺族へのお悔やみをお伝えするとともに、被害を受けた大勢の方々 に心よりお見舞い申し上げます。地域の復興の一日も早いことを念願しております。 ミクロネシア地域は第一次世界大戦後、国際連盟の下で、日本の委任統治領に なりました。パラオには、南洋庁が設置され、多くの日本人が移住してきました。移 住した日本人はパラオの人々と交流を深め、協力して地域の発展に力を尽くしたと 聞いております。クニオ・ナカムラ元大統領始め、今日貴国で活躍しておられる方々 に日本語の名を持つ方が多いことも、長く深い交流の歴史を思い起こさせるもので あり、私どもに親しみを感じさせます。 しかしながら、先の戦争においては、貴国を含むこの地域において日米の熾烈な 戦闘が行われ、多くの人命が失われました。日本軍は貴国民に、安全な場所への 疎開を勧める等、貴国民の安全に配慮したと言われておりますが、空襲や食糧難、 疫病による犠牲者が生じたのは痛ましいことでした。ここパラオの地において、私ど もは先の戦争で亡くなったすべての人々を追悼し、その遺族の歩んできた苦難の道 をしのびたいと思います。 また、私どもは、この機会に、この地域の人々が、厳しい戦禍を体験したにもかか わらず、戦後に慰霊碑や墓地の管理、清掃、遺骨の収集などに尽力されたことに対 して心から謝意を表します。 ミクロネシア三国と日本との外交関係が樹立されてから20年以上がたちました。 今日、日本とこの地域との間では漁業や観光の分野を中心として関係が深まってき ていることは誠に喜ばしいことです。今後それぞれの国との間で一層交流が盛んに なることを願ってやみません。 ここに杯を挙げて、パラオ共和国大統領閣下、令夫人、ミクロネシア連邦大統領 閣下、令夫人、及び、マーシャル諸島共和国大統領閣下、令夫人の御健勝とそれ ぞれの国の国民の幸せを祈ります。

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