この不況の意味は?

query_builder 2010/01/06
時事問題編

 リーマンショックに端を発した不況が続いております。多くの企業が雇用の維持に躍起になっており、 当然新規採用は厳しい状況の企業が大半です。同様に多くの労働者の方が、会社倒産やリストラにより職 を失っております。この状況をどのようにとらえるべきでしょうか。

 私見ですが、経営者は人を雇うことの大切さを、また労働者はやるべき仕事がある状態をともに「感 謝」するために必然の不況、ととらえています。日本人が本来持ち合わせていた“働くことへの歓 びと感謝”がここ十数年失われてきたような気がします。その結果、少しでも損をしたくないといった 安易な考えが国民の中に蔓延し、結果的に経営者も労働者もともに損得を前提にした、会社組織運営に なってきているような気がします。本来最も重視すべきCS(顧客満足)が叫ばれていることとは裏腹 に、できていないことがこの不況の1つの原因のように思われます。

 強い組織に共通している点は、「経営者(社長)の愛情」と「労働者(社員)の感謝」がバランスよく 定着している会社です。社長は社員に生活の糧である給料・賞与を保証し、より多くを配分できるよう心を 砕き、社員は目の前の仕事を通じて自己の成長を図り、目標に向かって努力している状態です。 社長と社員に共通していることは、「感謝の心」です。職場における感謝の心が失われている状態が、現在 の不況の真の原因ではないでしょうか。この感謝の心が職場内に定着していれば、ES(社員満足) が満たされ、結果的にCSが向上していくと考えます。

 トヨタ自動車が危機管理(RM:リスクマネジメント・2010年1月現在)でつまずいています。欧米ではRM は大半の企業に定着しているといいますが、日本の企業では頂点に位置するトヨタがこの体たらくで、非常 に残念なことです。

 日本人は本来、国民性として、良いことも悪いこともけじめをつければ“水に流してしまう”世界で も稀有の民族です。顧客の購買行動だけでなく、CSを真剣に考えておれば、この水を流す国民性を最大 限に活用できたはずなのです。 日本は土下座の文化です。 パナソニックやジャパネット高田のように、 「もう十分、ここまでしなくても」と国民に思わせるくらい謝罪の姿勢を示す必要があったと思います。何故な ら自動車は最も人命に影響のある商品だからです。

 その基本を忘れ、後手後手に回った結果のリコールでは危機管理どころではありません。 また、以前に も申し上げましたが、我が国のブランド価値は「日本人は嘘をつかない」「メイド・イン・ジャパンは間違いな い」です。このブランド価値が揺らいでいるわけですから、我が国の国益が著しく損なわれたことになります。


 今後経済大国として現在の地位を何とか維持していきたい我が国としては、スポンサーに自動車業界を もつマスコミの報道を鵜呑みにすることなく、厳しく監視していく必要があります。

 私はいつも講演で、企業の目的は「損失を最小限に止めること」と申し上げています。また社員にとって は「倒産をさせないこと」こそ最高の福利厚生と申し上げております。

 企業が抱えるリスクは膨大です。その中で計数理的に読めるものしか保険商品にはなりません。企業 はリスクに備え、「保険商品が用意されているリスクは保険に転換」「保険商品になじまないリスクは自前で 対処」が前提です。是非社内にRMの専門部隊を構築してください。すると不思議なことに、本来経営者にたどり着くマイナス情報は、わずか3%といわれておりますが、その数値が徐々にアップしてきます。経営者 は日々判断するのが仕事です。わずか3%のマイナス情報で経営判断することの恐ろしさをご認識ください。

(2010年1月/2012年5月改定)

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