株主は帳簿の閲覧権の行使が可能?!
最近事業承継のご相談が多くなってきております。また、それとは別に、身内の会社経営者に不信感を 持ち、改善策を求めて相談にこられるお客様も増えました。特に大株主の横暴に対して、きっちりと対抗措 置を取りたいとの切実な相談も複数ありました。
そのようなお客様には、会社法第433条の株主の「会計帳簿閲覧謄写請求権」(帳簿の閲覧権)に ついてお話しすることが多いです。具体的には、会計帳簿又は左記に関わる資料となります。
条件としては、総株主の議決権の100分の3 以上、または発行済み株式の100分の3以上有 する株主とされています。株式の3%以上を保有し ていることで請求権を有することになりますが、1 人で は3%未満であっても、複数人で3%以上となるこ とで「閲覧謄写請求権」が発生することになります。
因みに逆の立場でアドバイスを求められることもあります。その場合は、経営者の立場に立って、定款を改 定して、種類株式の発行をアドバイスします。例えば名義株に近い株主、経営にタッチしないが、権利ばか り主張してくる株主に対しては、議決権のない配当優先株の発行をお勧めします。
会計帳簿の閲覧や謄写の請求をすることができるのは、3%以上の株式を保有する株主ですが、請求 の際にはその「理由」を明確にする必要があります。閲覧請求する理由を明確にしたうえで、どの帳簿類を 閲覧または謄写をするのかを具体的に記載した書面にて請求することになります。当然費用は請求する株 主負担となります。
企業は会計帳簿の閲覧を請求された際には、拒否すべき正当な事由がない限りは応じなければなりま せんが、一般的に不当に拒否するケースが多いようです。その場合は裁判所に対して、「会計帳簿等閲覧 謄写請求の仮処分」の手続きをとることが可能です。
会計帳簿の閲覧を請求するための一般的な具体的理由は以下の3つです。
① 取締役の不正行為の疑いに関し調査をするため
② 株主代表訴訟の要否につき調査するため
③ 経理上の疑問点解明のため 等
私の過去のコンサル経験では、安易に株主を増やしているケースが多いように感じます。同族会社を避け るため持ち株会を作ったが、併せて議決権まで渡してしまい、混乱しているケースや子供に平等に配分して しまって、後を継いだ後継者が苦労しているケースなど、枚挙にいとまがありません。
私の基本的な考えは、「会社経営のリスクを誰が負っているのかを明確にして、経営に携わらない者に株 を渡すことは極力避けるべき」というものです。
人は煩悩の塊です。損得で考えることが一般的でしょう。しかし、苦労多き経営者になることを選択した 以上、命懸けで経営していくことになります。社員もまた一個の人間ですので、経営者に「愛」が無ければつ いてきません。社員とその家族も含めて社員数の3倍の人々の人生を背負う覚悟をもって、厳しい選択を される経営者を守っていくことが、我が社のミッションです。
会社の将来のことでお悩みがありましたら、是非ご相談ください!
ブレインをサプライいたします。
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