<株式会社 成田ケンコウファーム 代表取締役 平野 孝憲 氏>2022.05月号 掲載

テキスト版
“現状に満足せず、常に探究心を持ち、 見通しの良い未来へ、オンリーワンを目指して!”



会社プロフィール
会社名 株式会社 成田ケンコウファーム
代表者氏名 代表取締役 平野 孝憲
本社所在地 千葉県成田市小浮764‐1
事業内容農業(れんこん『成福れんこん』)
SNSInstagram



今回は、『成福れんこん』の生産をされている株式会社 成田ケンコウファーム代表取締役の平野社長より、創業から今後のビジョンまで様々な想いを聞かせていただきました。


◆ 創業の経緯と創業の想いをお聞かせください。
もともと農業はやりたいと考えていました。そんな中、学生時代にお米の集荷のアルバイトをしている時に、農家さんから、『もう歳だからやめようと思う。』『跡を継ぐ人がいないんだ。』といった切実なお声を聞き、農業をやるという意志を固めました。
しかし、農業をやると決めたものの生産物については未定。弟(現専務)と農作物について色々と調べて、考えて、高単価で比較的価格も安定するレンコンに目をつけ、他のレンコン農家さんの姿を見ながら、機械の操作や農作業・管理を手探りで始め、4年の修業を経て、会社を設立するに至りました。
当時、多くのレンコン農家さんにおいて、レンコンの『味』という部分では、それほど強いこだわりをもっていると感じることはありませんでした。しかし、成田市内のお米を食べ比べても明確に味の違いがあるのにレンコンだけ違いがないのは、おかしいと思いました。この時、差別化の活路を見出し、せっかく作るのであれば、化学肥料は使わず、有機肥料一本で農薬を極力使わずに美味しいレンコンを作ろうと決めました。


◆ 創業当時、大変だったこと、嬉しかったことをお聞かせください。
創業当時は、勉強も人一倍したと思います。茨城県や徳島県などの有名な生産地にも足を運び、実際に作業に入らせていただいたり、お話を伺ったりして、学んだことを工夫して落とし込むことを繰り返していました。
当時は朝5時に収穫をして梱包・出荷が終わるのは翌3時。2時間後には、また収穫。子供が小さかったこともあり、『妻には手伝ってもらわないようにしよう』と専務と決めていましたが、さすがに限界をむかえ、妻は小さな子供を背負いながら、収穫を手伝ってくれていました。ある時、私も子供を背負って収穫をしてみましたが、かなりきつかったです(笑)。こんなに辛いなか収穫してくれていたんだと今でも感謝しています。
最初の収穫の時から、他のレンコンとの違いは明確に感じ取ることが出来たので、自信はありました。初めて直売所に自分たちのレンコンが並んだときは嬉しかったです。直売所で直接、購入してくださったお客様から『このレンコンは美味しい。』というお声をいただき、『これなら、いける!』と確信しました。


◆ 平野社長が事業経営において大切にしていることを教えてください。
私たちは経営者としては比較的若いため、様々な面において年齢で判断されないように礼儀や節度をわきまえて、協力してくださっている近隣の農家さんや同業の農家さんや応援してくれる方々、社員さん、実習生の皆さん、パートさんとの関係を大切にしています。
職場においては、各従業員さんの向き不向きはありますが、可能な限り良いところを伸ばせるよう適材適所を意識して、兄弟で知恵を絞っています。自分たちだけでは解決できないこともあり、学びを忘れないように心がけています。


◆ 成田ケンコウファームのここが凄い!を教えてください。
パートさんも含めて従業員さんがとにかく凄いです。向上心と責任感があり、『言われたことだけやっておけばいい。』ということがなく、率先して作業をしてくださって大変助かっています。お互いにやること、やり方を聞けるという環境になっていて、パートさんも含め、意見を出し合いながらお話ができるので、そこは当社の強みになっています。
ベトナムの実習生の皆さんも、レンコンの成長や味、色がどうしたら良くなり、どうしたら悪くなるのかを真剣に考えてくれています。国籍や年齢関係なく間違っていることは間違っていると言える、教育の土壌も出来上がってきているように思います。


◆ 成福れんこんの特徴を教えてください。
成福れんこんは美味しさや白さはもちろんですが、もっとも栄養がありながら廃棄されてしまいがちな皮までおいしくいただけるのが特徴です。  『えぐみ』については、数値化できるように定期的に外部機関にお願いして、出来るだけ硝酸態窒素の数値が低くなるように工夫しています。


◆ 今後のビジョンと意気込みをお願いいたします。
色々とやりたいことも多いのですが、今来てくれている実習生が母国でも生産ができるように支援したいと考えています。日本の文化に馴染みながら、様々な経験を積んでいると思うので、母国で生かせるようにしてあげたいです。 日本において国内における農産物の生産量はある程度の量は絶対確保しなければいけないと確信しています。食料のほとんどを輸入に頼っている現状を変えるのは自分の世代だけでは困難かもしれませんが、次の世代に繋げることも意識しながら、できるところまでやっていきたいです。
 


担当コンサルより<野﨑哲也>
成田ケンコウファーム様へ伺うと、いつも皆さんの元気な挨拶から、雰囲気の良さを感じます。平野社長も平野専務からも、とても柔らかい雰囲気を感じます。特に、打合せにおいて、『こんな風にしていきたい。』『~できたらいいなと思っているんです。』と未来のお話が多いことを強く感じます。
成田ケンコウファーム様では、パートさんも含めて『話を聞いてくれる』という心理的安全性(組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態)が担保されており、前向きで良い意見が出やすく、それが会社の成長をより促進しているように思います。 “見通しのよい未来へ”トップビジョンの達成に向け、精一杯サポートさせていただきます。

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