求人掲載について

query_builder 2023/11/10
労務相談QA
当社では現在、ハローワークで中途採用の求人掲載をしていますが、応募・問い合わせが全くきておらず、採用をうまく進めることができていません。 テレビCMやSNS広告でよく見かける有料求人サイトには興味があるものの、これまで利用したことがありません。有料求人サイトでの求人募集とハローワークの求人募集とではどのような違いがあるのでしょうか?
有料求人サイトでの掲載は、ハローワークでの掲載よりも応募に期待ができます。理由としては、テレビCMやSNSによる幅広い求職者へのアプローチをしていることで転職活動をしている若年層への導線が多いことや、求人マーケットの動向に合わせた求人原稿をプロが作成してくれること等が挙げられます。 ただし、有料掲載だからと言って希望期日までに絶対採用できるというわけではなく、採用決定に至らないケースもよくあります。求人は掲載してみないと結果がわからない=ギャンブルと言われることもありますが、求人サイトの特徴について確認した上で、どのような求人掲載をするのが効果的かについて考えてみましょう。
<求人サイトには大きく分けると3つのタイプの掲載方法があります>
【➀完全無料型】 求人掲載から応募・採用まで全て無料
⇒ハローワークなど
<メリット> 採用コストが抑えることができ、条件が合えば活用できる助成金 (※ハローワーク経由に限る)もある。
<デメリット> 若年層の確保が難しく、応募が伸びず採用まで時間がかかる場合がある。
【➁掲載課金型】 求人掲載する時点で料金が発生
⇒リクナビネクスト・マイナビ転職・エン転職など
<メリット>採用コストはかかるが、①よりも早期の採用決定が可能。 何人採用しても掲載料金は変わらず、採用見込みの高い募集や、大人数を一度に 採用する際には適しており、反響が良い場合は費用対効果が高い。 (採用単価が低くなる)
<デメリット>反響が悪いと、コストだけかかって採用には至らないということもある。
【➂成果報酬型】 採用が決定した時点で料金が発生
⇒リクルートエージェント・ビズリーチ・マイナビエージェントなど
<メリット>②のコストだけかかって採用には至らないというリスクが低く、確実な採用が可能。
<デメリット>1人の採用にかかる費用が高額になる。(年収の30%が成功報酬の目安) 人材の定着がうまくいかず早期の退職となった場合の費用対効果が悪くなる。 (保証期間内は規定の額の返金がある場合もあり)
昨今では、求人もインターネットで行うのが当たり前となっており、求人サイトも数多くありますが、それぞれのタイプ・特徴を押さえた上で、「いつまでに」「何人」「どんな人」の3点について整理できたタイミングで用途・緊急性に合わせて使い分けることが費用対効果を高めるポイントになります。


<どんな時にどの求人サイトが適しているか(例)>
採用活動をする際には、一つの手法しか使ってはいけないなどのルールはありません。ですので、採用ニーズが少しでもあるのであれば、ハローワークの無料掲載を有効活用しながら、状況によって有料求人を加え、更に複数社の有料サイトを同時掲載(コストは上がる)する等で早期採用できる確率が上がります。
【例】完全無料型(採用まで無料)+掲載課金型(コスト発生)+成果報酬型(採用に至るまで無料)
導線は多いに越したことはなく、アプローチ力に欠けるハローワークと採用決定の際には高額になる転職エージェントはサブとして募集をし、有料求人サイトをメインとして募集をするという手法も有効です。 また、従来はコストがかかっていましたが、昨今では無料で自社の採用ホームページ (オウンドメディア ※有料版と比べると機能は劣る)を作成できるサービスも多数リリースされています。こちらは自社ホームページに求人を掲載すればインディード等に無料転載(有料プランで訴求力UPも可能)させることができ、導線を更に増やすことが可能です。 また、SNS(インスタグラム・X(旧ツイッター)など)を活用した採用手法も増えており、近年ではSNS採用を取り入れる企業が増加しています。従来はGoogle・Yahoo!などの検索エンジンから検索するのが主流でしたが、近年の若年層はSNSを活用した情報集めが主流となってきています。このような今までは取り組んでいなかった手法も取り入れていくことで、採用難と言われるこの時代で戦えるベースが整います。


<求人の効果UPの為にやっておいた方が良いこと~3ステップ~>
有料求人サイトを活用すれば、無料掲載のみの求人よりも効果に期待できますが、適当な求人サイト・プラン(原稿サイズ・写真、動画有無・掲載期間・上位表示等)・ありきたりな原稿内容としてしまうと、良い効果を出すことが難しいです。せっかくコストをかけて求人掲載するも、応募がない、応募はあるが面接できてない、採用に至るも望む人材ではなかった等では意味がありません。少しでも効果を上げるためには、「効果を検証・分析」することが重要であり、この繰り返しが自社にあっている採用手法・採用コストの適正化を図ることに繋がりますので、以下の3ステップをご参考ください。
<ステップ①:相場観の理解(採用コスト・応募数の想定)>
今までに有料求人サイトでの掲載をしたことのない企業含め、求人広告会社に問いあわせをすると、エリア・業界の応募相場についての参考資料をもらえるので(求人会社ごとに異なる)、掲載しようとしている求人条件では平均値を参考に、どのぐらいの採用コストでどのぐらいの応募が来るのか試算をして、期待度の高い求人サイトを選定するのが良いです。(〇〇業界に特化した求人サイトというのもあります)
<ステップ②:掲載結果を基に効果の振り返り>
事前調査をして、効果に期待できる求人サイトに「掲載したから終わり」ではなく、掲載が終了したら結果を基に効果の振り返りも必要です。有料求人サイトに掲載した場合は、担当営業の方に問いあわせをすれば効果レポート(何件自社の求人が見られて、何件応募に繋がったか※求人会社ごとに異なる)をもらえます。結果は良くても悪くても検証することをおすすめします。
<検証・分析のイメージ>
一覧PV:求職者が求人検索をし、条件に該当した企業の求人一覧が出る画面に自社求人が出た数 詳細
PV:一覧から自社求人の詳細情報を見てもらえた数
<ステップ③:効果の振り返り結果を基に、問題を仮定して次回の求人に活かす>
ステップ①の相場と掲載結果を比較して、何に問題があったかを分析します。以下の例のように、問題を仮定して、それに対する改善を繰り返していくことがポイントです。


<検証・分析の例>
【“➀一覧PV“がそもそも少ない】
検索にそもそもヒットしてい【“➀一覧PV“がそもそも少ない】ない為、プラン・サイトの見直し、原稿に人気のフリーワードを盛り込む、検索軸の見直しを行う等。
【“➀一覧PV”から”②詳細PV”への遷移率が低い】
⓵で表示されるPRポイントが弱いということや、掲載順位が低い可能性がある為、原稿内容の見直し、上位表示プランへの変更を検討する等。
【”②詳細PV”から”③応募数”への遷移率が低い】
自社の魅力を伝えてきれていないということや、他社の条件に負けている可能性がある為、ターゲットの設定や訴求するための原稿内容、条件(給与・労働時間・休日)の見直しを検討する等。
【”③応募数”から”④面接数”への遷移率が低い】
募が来てから応募者へ連絡をするまでに時間を空けすぎていないか、応募者がメールを見ていない(埋もれている)可能性があるためショートメール等を活用するなど、連絡の方法の見直しをする。
【”➀一覧PV”から”⑤採用数”への遷移率が低い】
面接官の面接方法に問題がないか、原稿内容と実態に乖離があった(現場が求める条件と違った)可能性がある為、社内で再度すり合わせをする。


入社前(求職活動中)、入社後いずれも「給与」「労働時間」「休日」は気にされやすいポイントなので、ここを変えれば比較的簡単に効果改善は期待できますが、実際に既存社員とのバランスや(既存社員も自社の求人を見ている可能あり)、本当に実現できるかということを考えると現実的ではないケースが多いので、この点の見直しは最終手段として残しておくのが良いです。まずは条件面以外の課題を優先して検証・改善することをお勧めします。
求人原稿は会社から求職者へのラブレターと言われることもあり、どのような人(ターゲット)にどのようなメッセージを伝えるかがポイントで、まずは自社が採用したい人物像を明確にする(ペルソナを設定する等)ことが重要です。また、ターゲットに自社へ入社することの魅力をどう伝えるか考えるときに「やりがい」「収入」「環境」の3つの要素でどこが一番のPRポイントかを整理し、自慢の要素(他社に負けない)を目立たせる原稿内容にしてみるというのも一つの手段ですので、求人の効果にお悩みの企業様は今一度、求人原稿の内容について、担当営業の方と打ち合わせしてみるのも良いのではないでしょうか。

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