教育勅語の本質
最近(2010 年 3 月当時)『ベスト電気が社長2ヶ月で交代。前社長は創業者側で社員の求心力が無くなり自信喪失』の新聞記事を見かけましたが、
これが 1990 年代に業界首位の家電量販店の現状です。
自民党が敗れ、自己の敗因を総括できない、或いは大東亜戦争に敗れた後も、積極的に敗因を総括できない我が国が、経済でなかなか立ち直れない現状とどこか重なります。守るべき規範のない組織は規模の大小はありますが、組織の秩序が乱れ、いずれ崩壊します。『賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ』を地でいっているようです。戦争敗戦の総括、選挙敗戦の総括、業績低迷の総括をしない組織は、滅びます。
このことを国も企業も早く気付いて、国民や社員に伝えて欲しいものです。
戦前の規範の一つに『教育勅語』があります。ご他聞に漏れず、私も戦後教育を受けており、頭から否定しておりましたが、3年前にその中身に触れ、考えが 180 度変わりました。やはり『百聞は一見にしかず』でした。イデオロギーで固まった人は、物事の本質よりも主義主張の方が大切なのでしょう。中身の本質を歪められ、戦前の軍国教育の権化の扱いを受けてきた『教育勅語』の原文とその解釈を下記に記載します。是非その本質を感じて下さい。
朕(ちん)惟(おも)フニ、我(わ)ガ皇祖皇宗(こうそこうそう)國ヲ肇(はじ)ムルコト宏遠(こうえん)ニ、德ヲ樹(た)ツルコト深厚ナリ。我(わ)ガ臣民(しんみん)克(よ)ク忠ニ克(よ)ク孝ニ、億兆(おくちょう)心ヲ一(いつ)ニシテ世世(よよ)厥(そ)ノ美ヲ濟(な)セルハ、此(こ)レ我(わ)ガ國體(こくたい)ノ精華ニシテ、教育ノ淵源(えんげん)亦(また)實(じつ)ニ此(ここ)ニ存ス。爾(なんじ)臣民(しんみん)父母(ふぼ)ニ孝ニ、兄弟(けいてい)ニ友(ゆう)ニ、夫婦相(あい)和シ、朋友(ほうゆう)相(あい)信ジ、恭儉(きょうけん)己(おの)レヲ持(じ)シ、博愛衆ニ及ボシ、學(がく)ヲ修(おさ)メ、業(ぎょう)ヲ習(なら)ヒ、以(もっ)テ智能ヲ啓發シ、德器(とっき)ヲ成就シ、進(すすん)デ公益ヲ廣(ひろ)メ、世務(せいむ)ヲ開キ、常ニ國憲(こっけん)ヲ重(おもん)ジ、國法(こくほう)ニ遵(したが)ヒ、一旦(いったん)緩急(かんきゅう)アレバ義勇(ぎゆう)公(こう)ニ奉(ほう)ジ、以(もっ)テ天壤無窮(てんじょうむきゅう)ノ皇運(こううん)ヲ扶翼(ふよく)スベシ。是(かく)ノ如(ごと)キハ獨(ひと)リ朕(ちん)ガ忠良(ちゅうりょう)ノ臣民(しんみん)タルノミナラズ、又(また)以(もっ)テ爾(なんじ)祖先ノ遺風ヲ顯彰(けんしょう)スルニ足(た)ラン。
斯(こ)ノ道ハ實(じつ)ニ我ガ皇祖皇宗(こうそこうそう)ノ遺訓ニシテ、子孫臣民(しんみん)ノ倶(とも)ニ遵守(じゅんしゅ)スベキ所(ところ)、之(これ)ヲ古今(ここん)ニ通(つう)ジテ謬(あやま)ラズ、之ヲ中外(ちゅうがい)ニ施シテ悖(もと)ラズ。朕(ちん)爾(なんじ)臣民(しんみん)ト倶(とも)ニ拳々服膺(けんけんふくよう)シテ、咸(みな)其(その)德ヲ一(いつ)ニセンコトヲ庶幾(こいねが)フ。
明治二十三年十月三十日
御名御璽(ぎょめいぎょじ) 現代語訳)
私が思うには、我が皇室の先祖が国を始められたのは、はるかに遠い昔のことで、代々築かれてきた徳は深く厚いものでした。我が国民は忠義と孝行を尽くし、全国民が心を一つにして、世々にわたって立派な行いをしてきたことは、わが国のすぐれたところであり、教育の根源もまたそこにあります。
あなたたち国民は、父母に孝行し、兄弟仲良くし、夫婦は仲むつまじく、友達とは互いに信じあい、行動は慎み深く、他人に博愛の手を差し伸べ、学問を修め、仕事を習い、それによって知能をさらに開き起こし、徳と才能を磨き上げ、進んで公共の利益や世間の務めに尽力し、いつも憲法を重んじ、法律に従いなさい。そしてもし危急の事態が生じたら、正義心から勇気
を持って公のために奉仕し、それによって永遠に続く皇室の運命を助けるようにしなさい。これらのことは、単にあなた方が忠義心あつく善良な国民であるということだけではなく、あなた方の祖先が残した良い風習を褒め称えることでもあります。
このような道は、実にわが皇室の祖先が残された教訓であり、その子孫と国民が共に守っていかねばならぬことで、昔も今も変わらず、国の内外をも問わず、間違いのない道理です。私はあなた方国民と共にこの教えを胸中に銘記して守り、皆一致して立派な行いをしてゆくことを切に願っています。
明治二十三年十月三十日
天皇の署名と印
今の我が国の政治が上手くいかない現状は、倒産間近の会社の状況と同じです。1 総理は社内の窮状を理解していない社長に、2 不勉強な閣僚はその取り巻き役員に、3 自分勝手な官僚は部下を顧みず自己保身に固まった管理監督者に、4 政治家を信用せず、自己の利害を優先させる国民は三ず主義(休まず・遅れず・働かず)に陥った社員に それぞれ見事に当てはまります。
会社を倒産させてしまってもビジネスの世界では命までは奪われません。国は滅びてしまったら後世に禍根を残します。ご先祖様にも、子孫に申し訳が立ちません。
江戸時代の生まれの人が我が国を外敵から救い、明治の生まれの人が戦前の発展した近代国家をつくり、大正の生まれの人が戦後の経済発展に寄与してきました。
我々昭和の生まれの人が我が国を滅ぼしたと、平成以後の後世の人に言われないために、否、V字回復して、繁栄に導いたと評価されるような、明るい未来を是非実現していきたいものです。
この困難な時代に経営者となることを選択された皆さん、是非若い世代をより良い未来へ導いていってあげてください。