オリンピックロンドン大会を通じて

query_builder 2012/08/22
岡弘己の今月のアドバイス

欧州でのオリンピック開催は時差の関係で、ライブで見ることは困難でしたが、多くの 日本人が自国のアスリートの健闘を生で見て感動していたのではないでしょうか。 労務的にはこの時期は、職場での居眠りをはじめとした労働者の義務違反と事故が 続出するため、早く終わって欲しいところではありましたが、愛国者の一人としては、 日本選手の頑張りに心からエールを送りたい気分でもありました。 38 個のメダル数は、競技種目の増加と女性の参加促進もあり、過去のデータと単純 比較は難しいですが、多くの種目でメダル獲得したことは、我が国のスポーツの裾野 が広がってきた証でもあり、非常に喜ばしいことです。 是非東京で2 度目のオリンピック開催につなげて頂き、閉塞感の漂う我が国を活性 化して欲しいところです。 一方で柔道の凋落は目に余り、特に男子重量級の現状は目を覆いたくなるほどでし た。 柔道もレスリングと同じくポイント制になっており、従来の古い一本勝ちを目指すとい う考え方を変えていかないと、次回のリオデジャネイロ五輪の際にも相当苦戦を強い られそうです。 お家芸だと勘違いし、他国の研究を怠った姿はまるで日本の官僚や日本の家電・IT 業界と共通するものがあると感じているのは私だけでしょうか。 今回の五輪を見ていて、①女性選手の躍進 ②男性選手の心の弱さ ③国家として の戦略の無さ を痛感しました。 昔と比べて社会主義が崩壊した後のヨーロッパ勢がユーロ危機も加わり、衰退の一 途を辿る中、我が国はスポーツ科学の発達も影響し、また、集団行動ではないチー ムワークの理解も深まり、メダルの量産も可能な状況です。五輪招致を控えて、今後 はスポーツを一生涯続けられる環境の整備が求められます。 特に女性の活性化を、育児中心ではなく様々な分野で実行されることが望ましく、ま た我が国の再興には不可欠であると考えます。 韓国はソウル五輪後の隙間競技の強化と国を挙げてのバックアップの賜物でメダル を量産し、国威発揚の手段としています。同国で特に効果的な手段は2年間の徴兵 免除と終身年金にあるようです。 日本は金300 万円、銀200 万円、銅100 万円の一時金であり、この金額は報奨金 制度が出来てから変わらない状況です(但し競技ごとの各協会からは別途支給あり)。 4年に一度の開催で、この国を挙げての盛り上がりを考えると、今後人口が減少し、 経済が衰退することが予想される我が国においては、意味のない支出に税金を投入 するより、スポーツに注力する方が余程国益に寄与すると思われますが、皆様どう思 われますか?

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