天晴れ 暁(あかつき)ジャパン‼
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2023/11/10
岡弘己の今月のアドバイス
私は中・高生の時にバスケットボール部に所属しておりました。大阪の北部の中学で出会った、指導者の三宅正起先生の指導の下、男女とも長く、強豪チームに成長する姿を見て、つくづく、スポーツだけでなく、全ての組織は指導者の技量と情熱で大きく変わるということを学ばせていただきました。 |
そして今年8月、沖縄他で開催されたFIBAバスケットボール・ワールドカップ2023を、全試合TVで観戦させていただき、日本代表のトム・ホーバスヘッドコーチの指導力に感服しました。ホーバス氏は、日本女子バスケットボールチームを指導し、東京オリンピックで初のメダル、しかも銀メダルの獲得に導きました。彼はオリンピック終了後に、今度は日本男子バスケットボールチームのヘッドコーチに就任しました。 |
⑪
トム・ホーバスヘッドコーチの「名言」 | |
➀ | 「スーパースターはいないけど、日本はスーパーチームだった」 |
➁ | 「東京オリンピックで金メダルを取る」 |
➂ | 「あなたの天井はもっと上まである」 |
④ | 「楽しい練習はない。一番楽しくて嬉しいのは勝つこと」 |
⑤ | 「ヘッドダウンしないで (下を向かないで)」 |
⑥ | 「車輪にヒビの入った場所は、いつ脱輪や転倒するか分かりません」 |
⑦ | 「信じて」 |
⑧ | 「私たちは世界で一番準備してきたから」 |
⑨ | 「何やっているんですか 強くボールを持って」 |
⑩ | 「あなたの役割はこれです」 |
⑪ | 「チームはファミリー」 |
上記は女子チーム監督時代のころによく使っていた言葉のようですが、今回は男子チームでも様々な名言が飛び出しているようです。然も全て日本語で。
このトム・ホーバスヘッドコーチの情熱のこもった英語なまりの日本語による叱咤激励と厳しく、愛情のこもった指導は、私に若かりし頃の記憶を呼び起こしてくれました。 「念」とは「今」の「心」と書きます。念のこもった言葉は正に今の心に刺さってきます。 我々日本人(日本語を話す外国人も含む)、特に最近の若者たちは、本氣の言霊(ことだま)に触れると覚醒します。 今回のあかつきジャパンのメンバーは、富樫選手(30歳)と比江島選手(33歳)を除き20代の若者達です。強く愛情のこもった言霊を受入れ、本来の能力を目一杯発揮し、毎試合入れ替わりMOM(マンオブザマッチ)が生まれるほどの好循環が起き、また唯一のMBA選手である、渡辺雄太選手の『今回パリオリンピックに行けないなら代表を引退する!(※1)』の発言によって、チームメイトが本気で発奮したことも加わりました。 |
(注1) 『勝てば日本バスケは前進できる。でももしまた負けてしまったらこれから先永遠に同じことを 繰り返すだけなんじゃないかと思い、僕が代表を退き若い世代中心のチーム作りをなるべく早くする事が長いスパンで考えたときに日本バスケにとってはベストなのではと思いました。…勝てない自分がその元凶になってしまっては絶対にだめだと』 |
その結果、これまでアジア以外の相手との国際試合では勝つことも出来なかった日本代表が、優勝候補のドイツ(63×81)とオーストラリア(89×109)に20点以内の惜敗、その後フィンランド(98×88)、ベネズエラ(86×77)、カーボベルデ(80×71)と薄氷の勝利を重ね、到頭一枠だけであったアジア1位の国に与えられていたパリオリンピックの出場権を獲得しました。 暁ジャパンメンバーを動かした渡辺雄太選手の、 発言の真意が伝わってきました。 |
優れたトップである、トム・ホーバスヘッドコーチと優れたリーダーである渡辺雄太選手の存在が、連戦連敗を重ね、体格的に最も世界に通用しないといわれたバスケットボールという競技を、世界レベルにまで引き上げました。 |