企業防衛から見た民法の改正①

query_builder 2020/06/20
労働問題編

2017年(平成29年)の5月に「民法の一部を改正する法律」が成立しました。法律の施行は2 020年4月1日です。しかしながら世界中が1月から徐々に広まり、3月上旬から爆発的に感染拡大し た新型コロナウィルスの感染対策で揺れ動き、この法改正に対する対策が遅れてしまっているのが現状でしょう。


損得で考える労働者から未払い残業を訴えられる可能性が高くなった。また歩合給の時間外手当との相 殺が最高裁で違法との判決が出ました。更には同一労働同一賃金のスタート、賃金の男女格差の是正等、 コロナ災害で満身創痍の企業経営者に更なる追い打ちが掛かってきています。


今回の民法の一部改正により、労働関係諸法令の時効が原則5年当面3年に延長となりました。人事 労務関連でいうと、「身元保証」「賃金の時効」に関する対策を打っておかなければならない状況となりました。


今回は身元保証に関してお伝えしたいと思います。「身元保証」に関しては、多くの企業が就業規則の中に、 採用決定時の提出書類として様々な書類に合わせて、身元保証書の提出を求めています。当社では保証 人2名を定めて書類の提出を求めております。


多くの場合、具体的には、次のような内容になっていると思います。


1.身元保証人は、会社が認める者1名 (あるいは2名)とし、原則として別生計の者とする。

2.身元保証の期間は5年間とする。ただし、機密情報を扱う等会社が必要だと認めた場合は、 この保証期間を更新することがある。

3.社員がこの規則等を遵守せず、会社に損害を与えた場合、身元保証人に損害を賠償させることができる。


今回の法改正で、上記の条文のままでは、身元保証人に対する損害額の一部または全額を賠償してもら うことが困難になります。


そもそも身元保証人の取り付けは、多くの企業では<抑止力>や<保険>としても意味合いが強かったと 思われますが、今年の4月以降は、上限額を定めなければ身元保証書の賠償事項に関しては無効とされて しまいました。


そうすると上記の抑止力や保険としての身元保証書は余り意味のないものとなってしまいます。


そこで、当社のお客様に対して配布させていただいている「書式キット集」の中の入社キットに含まれている身 元保証書のサンプルの条文を改定します。お客様へはコンサルタントから順次ご案内させていただきたいと思い ます。


<ご参考>

【身元保証書改定にあたっての留意点】

1.極度額設定にあたっての留意点

① 極度額を高く設定した場合、会社はリスクヘッジできるが、身元保証を依頼された人が身元保証を 引き受けることを躊躇することが想定され、結果として人財採用・人材確保を妨げることになる。

② 会社は社員の管理監督責任(教育・指導)を一定負っているが、特に新たに入社した社員への 管理監督責任は、一般の社員より大きく考えるべきである。 =不祥事件が起きた場合、過失割合は会社側の過失を多く考える方がよい。


2.極度額について

① 金額を明示すること。

② 給与額の●ケ月分という表記だけでは足りない。

③ 固定残業代を給与額に含めても可。(含めなくても可)


3.身元保証法に定められている、身元保証人に対する情報提供義務に注意が必要。

社員は、身元保証人に対して自分の給与額、任務地、業務内容、会社に損害を与える事象発生 などの情報を提供する義務があり、これが不十分であると後日無効を主張される恐れあり。


身元保証書の改定を検討される経営者の皆さんは、是非当社コンサルタントにお声掛けください。最新版を ご提供すると同時に、他の法改正にも対応したルール改定のアドバイスをさせていただきます。

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