不正競争防止法の活用

query_builder 2013/11/22
労働問題編

不正競争防止法の類系の中で特に最近注視している行為が下記の<1>と<2> です。多くの経営者様の悔しさをはらし、雇用を維持し、100年企業を目指していただ くためにも、欠かせないのがRMを念頭に置いた企業防衛です。この不正競争防止 法を熟知し、元社員や元役員の不正行為に備えることが急務となってきました。


<1>営業秘密を侵害する行為

a. 不正の手段により営業秘密を取得する行為又は不正の手段によって取得した営 業秘密を、使用、開示する行為

b. 不正に取得された営業秘密であることを知りながら、または重大な過失によって 知らないで、営業秘密を取得し、又は取得した営業秘密を使用、開示する行為

c. 営業秘密を取得した後に、その営業秘密が不正に取得されたものであることを知 り、又は重大な過失により知らないで、その営業秘密を使用、開示する行為

d. 営業秘密の保有者から、営業秘密を示された場合に、不正の利益を得る目的で、 あるいは営業秘密の保有者に損害を与える目的で、その営業秘密を使用、開示 する行為

e. その営業秘密が不正に開示されたものであることを知って、又は重大な過失によ り知らないで、営業秘密を取得し、または取得した営業秘密を使用、開示する行 為


<2>営業上の信用を害する行為

a. 競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知、流布する行 為


現在、多くの企業において、セキュリティーの弱さから、営業秘密が漏えいしていま す。

不正競争防止法において「営業秘密」にあたるためには、下記の3つの要件が必要と なります。

①秘密として保管されている情報であること

具体的には「社外秘」「秘」等の表示がされていて、閲覧制限や施錠された保管庫に あるなど情報にアクセスできる人間が限定されていることが必要です。(過剰な管理 までは不要)

②事業活動に有用な情報であること

③公然と知られていない情報であること です。


よくある事例として、元社員による顧客名簿の無断コピーによる営業活動ですが、 上記①~③を踏まえますと、特に問題になるのは、会社の顧客名簿が「秘密として管 理されている」かどうかです。 この条件を満たすことができるなら、不正競争防止法 を根拠に、元社員が会社の顧客を訪問することの差止め請求、元社員に対する損害 賠償請求などを行うことが出来ると思われます。 その場合、まず元社員に対して、 差止め、損害賠償を求める内容証明郵便を出し、次に、裁判所に対して、販売の差 止め、損害賠償を求める、訴訟・仮処分などを行っていくことになります。

また、営業秘密には顧客情報、技術情報などがありますが、この不正競争防止法で 保護される「営業秘密」に該当するためには上記3つがそろっていることが前提です が、不正行為の立証が容易ではありません。 そこで、会社の役員や社員が退職した 後の不正行為に備えて、在職中に、競業禁止契約を結んでおくことをお勧めします。

この契約を結んでおけば、たとえば、元社員が同業他社に就職し、既存顧客に対して 営業活動を始めた場合、会社の顧客名簿が営業秘密にあたるのか、その顧客名簿 を不正に使って営業活動をしているのか、というようなことを問題にするまでもなく、 同業他社に就職したこと自体が、競業禁止契約に違反しているとの理由で、元社員 の行為の差止めや損害賠償を請求することができるのです。

弊社では競業禁止の約定を「退職キット」集の中にラインナップしており、別途「競業 避止対策規程」をお作りし、トラブルの予防に役立てるようにしております。

なお、上記契約を結ぶ際には、契約書の中に、次のような文言を入れます。

① 業務上知り得た一切の営業秘密を、在職中はもちろん、退職後も第三者に漏え いしない。

② 退職後2年間(無難な期間は精々6ヶ月~1年位か)は、会社業務と競業する事 業に関与しない。

ところが日本国憲法で「職業選択に自由」が謳われておりますので、常に競業避止 対策は、この憲法上の職業選択に自由とぶつかることになります。 そこで、下記の4 つの要素を加味してルールを客観性と合理性に基づき、策定しなければなりません。

① 競業を禁止する期間 (常識的な範囲内でないと無効とされる可能性も。)

② 競業を禁止する地域 (本社および営業所所在地から半径○○km以内は不可 等)

③ 就業が制限される職種 (具体的に)

④ 何らかの代償措置が取られているか (既得権となる退職金とは別の金銭代償)


ここで特に重要となるのが、上記④の代償措置が取られているのかどうかです。 労働問題を起す社員は極めて利己的です。 従って「労働の対価である給与」におい て行動を抑止することは困難です。また「業績の対価である賞与(業績分配給)」も抑 止力として使うことは、上記と同様に会社を辞めた社員には効果がありません。 最も効果を発揮するのは「会社の愛情である退職金(功労一時金)」に様々な足かせをは め、ルールを逸脱することが出来なくなるような仕掛けを行い、積立てた退職金の原 資を上手く配分できるようにすることです。 その際注意を要するポイントは、現金で 手渡しすることが可能となる仕組みを構築することです。 多くの企業は目いっぱい 退職金の積み立てをしているために余裕がなく、この代償措置に充当できる金銭を 別途支払っています。 利益が順調に上がり、決算上も問題が無ければ別ですが、多 くの経営者にとって退職金に別途金銭を上乗せして支払うことは相当の抵抗があるよ うです。従って退職金制度構築を新たに行い、通常の退職金と功労一時金の2段重 ねのルールにリニューアルすることが望ましいでしょう。

退職金制度の再構築の際には是非弊社にご相談ください。とっておきの秘策を駆使 して、RMの観点から、会社にとって安心かつ安全な退職金制度の構築のお手伝い をさせていただきます。

正に「備えあれば憂いなし」です。

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