二以上事業所勤務者の手続き

query_builder 2023/08/10
社労士業務のワンポイント
少し前までは、社会保険に該当する「複数の事業所に勤務する」方というと、ほとんどの場合、法人役員の方でしたが、昨今、副業をする方が増えてきたこともあり、従業員の中にも該当する方が増えてきました。
また、短時間労働者の社会保険については、現在、常時100名超の被保険者がいる企業に適用されていますが、令和6年10月から常時50名超の被保険者がいる企業に適用される予定ですので、今後さらに手続きの機会が増えることが予想されます。そこで、複数の事業所に勤務する従業員の社会保険の手続きの概要について解説します。


〇雇用保険と健康保険・厚生年金保険の違い
雇用保険 健康保険・厚生年金保険
生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける事業所で被保険者となります それぞれの事業所において資格取得し、主たる事業所を選択する必要があります

〇健康保険・厚生年金保険の手続きについてもう少し詳しくみていきましょう。
届出書名称
健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届
  ↓日本年金機構HP
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/todokesho/hihokensha/20140820-03.html
提出先
選択する事業所の所在地を管轄する事務センター(年金事務所) 健康保険組合を選択する場合は、健康保険組合へお問い合わせください。


上記の届け出を行うと、それ以降は選択した事業所を管轄する年金事務所が年金に係る事務を行い、選択した保険者(協会けんぽや健康保険組合)が健康保険に関する事務を行うことになります。


健康保険証について
選択事業所のもののみが有効となり、健康保険証番号が変わる為、もともと持っていた保険証は差し替えで返却する必要があります。
被扶養者の届出について
それまで非選択だった事業所を新たに選択事業所とする場合は、新たに選択事業所となった会社から改めて被扶養者異動届を提出する必要があります。自動的に切り替えてくれるわけではないので注意が必要です。
標準報酬月額と保険料について
・それぞれの適用事業所から受ける報酬月額を合算した月額により標準報酬月額を決定
・保険料は、決定した標準報酬月額による保険料額をそれぞれの事業所で受ける 報酬月額に基づき按分
・保険料率は「選択事業所の保険料率」で計算
計算例
(1)それぞれの適用事業所から受ける報酬月額を合算して標準報酬月額を決定します。
 ・A社の報酬月額 : 300,000円
 ・B社の報酬月額 : 200,000円
  ⇒ 報酬月額合計:500,000円 
 健康保険の標準報酬月額   :500,000円
 厚生年金保険の標準報酬月額:500,000円
(2)決定された標準報酬月額による保険料額を、それぞれの事業所で受ける報酬額に応じて按分します。
●A社の保険料の計算方法
 ・健康保険料= 500,000円×保険料率×300,000/500,000
 ・厚生年金保険料= 500,000円×保険料率×300,000/500,000
●B社の保険料の計算方法
 ・健康保険料= 500,000円×保険料率×200,000/500,00
 ・厚生年金保険料= 500,000円×保険料率×200,000/500,000


今回は、二以上事業所勤務者の手続きについて基本的な内容を記載しました。ほかにも「月額変更届」「賞与届」「資格喪失届」などさまざまな手続きについて気を付ける点があります。 ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。

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