罪を憎んで人を憎まず!

query_builder 2018/12/19
人事労務編

10月の当社で、大きな事件が起きました。入社間もない社員の情報漏洩未遂事件です。

当社ではサーバーの強化を図っており、情報のダウンロードはもちろん、全てのログを詳細に抑えており、変な動 きは直ぐにばれるようになっています。入社時の提出書類関係も、これでもかというほど厳しくしているのは、お客様 情報だけでなく、当社設立後10年間の間に培ってきた、社員の血と汗と涙の結晶である、付加価値の高い各 種ノウハウや情報を、社外に違法に持ち出されることを防止するためです。入社間もない社員には、口頭でも書 面でも、厳しく伝えていたにも拘らず、多くの情報をダウンロードしたことをもって、懲戒解雇(当社では二人目) となってしまいました。誠に残念な結果となってしまいました。


本社のある東京ではこのようなことは過去に起きておらず、出先で発生しているのは、やはりセキュリティーに関す る感覚が、東京とその他の地域では大きく乖離しているのではないかと感じます。今後はさらなるセキュリティー対 策と社員教育を実行していくことになるでしょう。しかし犯罪目的で関わってくる者を100%排除することは至難 の業であることも事実です。


そのための対策を今後知恵を絞って打ち出し、お客様にもお勧めしていこうと考えております。

念のため、当該社員が所属していた社労士会やその他の関係機関にも、事実の報告と対処について話に行 かねばならず、予定を急遽変更して、実家の軽自動車を飛ばして遠方へ向かうこととなりました。


その際更に2つ目の事件が起きてしまいました。予定変更を飛行機上で手配し、空港に着いたとたん、各方 面への電話の嵐が続き、トイレの個室に入って、排便をしながら2つの携帯でメールと電話の対応をこなしつつ、タ クシーに乗るためにトイレを出た時点で、新品の携帯をトイレの個室に忘れていたことに気づきました。慌てて引き 返しましたが、既に誰かに占拠されており、長いトイレに付き合わされ、3~4分後に出てきた中年男性に向かっ て


(私) 「トイレに携帯を忘れたのですが、置いていませんでしたか?」

と聞きました。中年男性は

(男)「知りません!」

と一言発して目を合わせずに、その場を逃げるように立ち去っていきました。

私の引き返した時間帯では1~2分しか経過しておらず、この中年男よりも前にトイレに入って出てくるのは不 可能と判断し、この中年男を追いかけ、その50cm背後から、自分の携帯に、もう一つの携帯から電話を入れ ました。すると男の左ポケットから聞きなれたコオロギの鳴き声が聞こえてきました。iphoneのオリジナル着 信音の中で、客観的に最も不快感を感じない音に設定しておりますので、こだわりがあります。その音をしつこく流 しながら男の後をついていくと、とうとう観念してポケットに手を突っ込み私のiphoneを取り出しました。その 瞬間に男の手首をつかみ、昔嗜(たしな)んだ合気道の技をかけつつ、男の手からiphoneを取り戻しま した。さらに男を厳しく睨みつけ、

(私) 「今から警察に行くぞ!」と言うと、お決まりの、

(男) 「今から届けようと思っていた。」と返してきました。

(私) 「万引きして店を出た段階で捕まった万引き犯が、今から金を払うつもりだったで通じると思っとるん か?既にその時点で犯罪成立や!」

(私) 「それやったら何でさっき声かけたときに知らんと言うたんや?、その時点でアウトや!」

(私) 「新品のiphoneゲットして「やった!」と思って知らんふりしたんと違うんか?」

(男) 「あなたが持ち主かどうか分からなかったんで、届けようと思っただけです。」

(私) 「そんな見え透いた嘘が通用するかボケ。それやったらあの段階でポケットに入れた携帯出して「これで すか?、あなたのだという証拠は・・・」というたら済む話や。電話番号や指紋認証なんかいくらでも証 明できるものがあるねんから、直ぐに証明できるやろ。」

(私) 「この期に及んで言い訳すると承知せんぞ、俺は嘘が一番嫌いなんや!」

こちらの剣幕と締め上げられた手の痛さに観念して、男は子猫のように神妙になりました。

一方私の心(魂)は逆に、原因を作ったのはお前やぞと訴えかけてきます。

男が神妙になった段階で、既に怒りは収まっておりましたので、

(私) 「これ以上嘘はつくなよ。お前は会社員か?」

(男) 「はい!」

(私) 「このことを会社に報告したらお前はどうなる?」

(男) 「首になります!」

(私) 「こんな下らんことで首になったら家族はどう思う?情けないと思わんか?」

(男) 「すみません!勘弁してください!」

(私) 「お前どこに住んどるんや?」

(男) 「〇〇県××市です。」

(私) 「免許証を見せろ!」

(男) 「ハイ、これです。」

(私) 「写メ撮るけどエエな!」

ここで男は正直に所在地を答えました。免許証を確認すると 男が申告した住所が記載されておりました。私が心を失った (忙しかった)結果、この男に犯罪を誘発させてしまったことを 考慮し、(私)「二度とするなよ、今回は見逃したるわ!」・・・ でこの事件は終わるはずでしたが、何と面接のため、出先事務 所で一人待つ女子社員と他の社員のために、羽田空港で購入 した新作のバームクーヘンのお土産を、男の手を締め上げた瞬 間に手放してしまい、そのまま忘れてきてしまいました。一瞬とは いえ怒りの感情を他人にぶつけてしまった対価としては少額でし たが、今回の一連の出来事で、また大きな学びがありました。


今回のことは、前者は故意性が明確であり、当初の意に反して厳しい処分をせざるを得ないとの判断となりまし た。後者は原因が自分にあることは明白です。人は弱い生き物ですので、腹ペコの状態で目の前に食べ物がある と、本能的に飛びつきます。理性が働くといいのですが、誰も見ていないと咄嗟に嘘をついてしまうのです。


企業統治においては、咄嗟の判断の際に正しい判断ができるよう指導していくことが極めて重要です。私の経 験で恐縮ですが、人生を振り返ると、他人を助けたいと思ってしたことは、どれもみなうまくいきました。一方自分の ためにとか、得したい、儲けたいと思ってしたことは、ことごとくうまくいきませんでした。

これが人生の法則の一つであると、身をもって経験してきました。 大学必修科目であったキリスト教学で唯一覚えているのは、

『(使徒パウロ)わたしが三年間、あなたがた一人一人に夜も昼も涙を流して教えてきたことを思い起こして、 目を覚ましていなさい。そして今、神とその恵みの言葉とにあなたがたをゆだねます。この言葉は、あなたがたを造り 上げ、聖なる者とされた全ての人々と共に恵みを受け継がせることができるのです。わたしは、他人の金銀や衣服 をむさぼったことはありません。ご存じのとおり、わたしはこの手で、わたし自身の生活のためにも、共にいた人々のた めにも働いたのです。あなたがたもこのように働いて弱い者を助けるように、また、主イエス御自身が『受けるよりは 与える方が幸いであると言われた言葉を思い出すようにと、わたしはいつも身をもって示してきました。』

上記を意識して、「与えれば与えられる」「GIVE&GIVEN」 という当社の経営理念の一つとしておりま す。


今回のように善良そうな中年のおっさんが、瞬時の判断を誤り、犯罪者に身を落とすことがあるのです(許しま したけど)。面接では笑顔で「一生懸命頑張ります!」と言った社員が重大な罪を犯して懲戒解雇になるのです。 前職の損害保険会社でも、ちょっとした油断で飲酒運転したお客様が、当て逃げ、ひき逃げをして逮捕されるケ ースを何度も経験してきました。

繰り返しますが、人は弱い生き物です。一人一人は本当に弱い存在ですが、一つでも揺るがない軸を持つと、 強い存在になっていきます。


この揺るがない軸をお客様とそこで働く社員の皆さんにお持ちいただけるよう、今後益々精進していきたいと思い ます。

NEW

  • 大東亜戦争から学ぶリーダーシップ㉝

    query_builder 2022/06/10
  • そこに愛は在るんか?❷

    query_builder 2022/06/10
  • 国民の幸福な老後の実現とは!?

    query_builder 2022/05/10
  • プーチン政権の衰退からみる、我が国の在り方とは?!

    query_builder 2022/05/10
  • ”パワーハラスメント”外部相談窓口の設置はお済ですか?

    query_builder 2022/04/08

CATEGORY

ARCHIVE