入社時のフィルターはこう作れ!⑥

query_builder 2017/04/20
人事労務編

<機密情報漏えい対策>

Q)建設資材の卸売業を営んでいますが、8年前に採用した社員が同じエリア内 の同業他社に転職をし、当社の顧客情報、顧客名簿を使って営業を仕掛けてきて 困っています。既に3社の契約を持っていかれました。既存客には手を出さないよう にしてもらいたいのですが、どのように対処したらよろしいでしょうか。また他の社員 が同じことをやらないよう、防止策を講じたいと思います。良い知恵があったら教え てください。


A)このようなケースは最近全国で見られるようになってきました。しかも業種を 問わずの状態です。今回のケースでは、まず無防備な状態で社員の転職を認めて しまっていることが原因の一つです。また企業側にも労基法違反をはじめとするコン プライアンス違反などの負い目があり、強く出ることが出来ないことも問題です。社 員の退職に際して、誓約書などを取り付けている場合は、強く抗議し、場合によって はその社員を採用した会社に抗議することも一つの手ですが、裁判となった場合は 勝てるかどうかは分かりません。


今後同様のことを社員から起されないための防止法を下記に記します。


①どのような場合にも必ず出てきますが、就業規則等の規程の強化が必要とな る

②上記①の中でも特に退職間際のルールの強化が必要

(1)誓約書(情報漏えい防止、競業避止など)を複数枚取付る

(2)退職金制度の見直し、特に減額や不支給の事由を明記し退職後も一定の期 間、拘束できるようにする(詳細は別途お問い合わせください。)

(3)不正競争防止法(注1)違反や競業避止義務違反に対する損害賠償条項を設 け、不正行為があった場合に備える

③普段から社風作りに注力し、労使間、社員間のコミュニケーション力の向上を 心掛ける

④社員研修を行い、ベクトル合わせと価値観合わせを実施。労使間の時間の共 有を怠ると価値観統一は困難です。


(注1)不正競争防止法における営業秘密とは?

①秘密管理されており(秘密管理性*)

②有用であり(有用性)


③非公知である(非公知性)情報 をいう

例えば、製造技術の各種技術、ノウハウ、販売マニュアルなど。

*秘密管理性:従業員、外部者から、認識可能な程度に客観的に秘密「部外秘」 と分かるようになっている。⇒アクセス制限がある、普段から漏洩防止策を講 じている。キャビネットに入れている場合も鍵の管理がなされている。 ⇒ 管 理ルールが周知されている。


<営業秘密と認められた顧客情報>

①電話占いの顧客情報

②ダイレクトメールの顧客名簿

③取引先住所

④人材サービス登録派遣のスタッフ名簿

⑤墓石販売者の顧客名簿

⑥美術工芸品販売業者の顧客名簿

⑦男性用かつら販売業者の顧客名簿、顧客情報 など


<顧客情報のほかで「営業秘密」と認められたもの>

①製造プラントの図面

②パチンコ店の還元率、売上金額

③ゴマ豆腐のレシピ

④取引商品の在庫一覧表、原価表

⑤フランチャイザーのマニュアル

⑥眉のトリートメント技術

⑦バックの販売先業者名、販売数量、販売価格、仕入れ価格、利益額など


<裁判例における不正取得>

①窃盗による取得

②業務上横領による取得

③詐欺による取得

④その他の不正の手段による取得

例)①企業の研究開発に従事していた者が独立しようとして自ら作成にあたった プログラムをコピーした事件で業務上横領罪が適用された。

②会社の経営者と対立して退職し、競争会社に就職しようとした者が、退職 した会社の秘密資料である購買会員名簿4冊を窃取しコピーした。


企業において営業秘密を管理するために、従業員との間で、営業秘密の使用、開示制限契約を結び、また退職後について一定の競業制限契約を課すことが多い ようです。退職後の競業の制限を定めた規則がなくても、信義則上一定の範囲でそ の在職中に知り得た営業秘密を漏洩しない義務を負う判決もあります。

また、会社の技術秘密を知る被用者の退職後における競業行為を禁止する旨の 特約を有効なものと認めた判決もあります。


当社では、頻発する情報漏えい絡みの社員の独立や営業行為などに対して7つ の防止規程をご提供しております。

❶不正競争防止規程

❷競業避止対策規程

❸企業機密管理規程 ※

❹情報管理規程

❺ソーシャルメディア利用規程

❻業務引継規程

❼特定個人情報・雇用管理情報管理規程

(※自社内の機密情報の明示、周知は重要です)

当社でも不測の事態が発生することは過去にありましたが、上記❶~❼のルール を作成周知し、入社時に多くの提出書類とともに誓約してもらっておりましたので、 大事にならずに収束しております。

我国は戦後72年間、憲法改正すらできない平和ボケの国家となってしまいまし た。同じ敗戦国のドイツは、既に時代に合わせて60回以上も憲法を改正しています。

政治家や役人は頼りになりません。

常にリスクを想定し、リスク回避のための「リスクマネジメント」対策を講じることは、 多くの社員と、その家族の生活を守る重責を負っていらっしゃる経営者の皆さんにと っては、必要不可欠ではないでしょうか。


最近では企業間の契約書にも、損害賠償条項、反社会的勢力対応、社員の独立 の際のトラブル防止条項なども導入するようにお勧めしていますが、一昨年のマイ ナンバー法の施行以来、流れが変わってきました。

当社では、社員の独立に関わる企業側の泣き寝入り状態を回避する方策をアド バイスしておりますが、相談が後を絶ちません。入り口で手を抜くと出口で10倍苦し むことになります。アクションを起こす前に、早めにご相談ください。ブレインをサプ ライします。

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