年功型賃金
最近年功型賃金が物議を醸しております。
「H26年9月29日に再開した政労使会議の冒頭で、安倍晋三首相が経済界の不意をつ いて口にした「年功賃金の見直し」が大きな波紋を広げている。子育て世代に手厚く賃金 を分配すべきという考え方で、女性の活躍を後押しする安倍政権が、若年世代までも味 方につける巧みな戦略が透けてみえる。しかし、これから年功賃金制度の恩恵を受ける4 0代以上の会社員にとっては、はしごを外される形で、住宅ローン返済など人生設計の練 り直しを迫られる恐れもある。」 (産経新聞 10 月 17 日(金)11 時 2 分配信)
日本は従来から年功給が主流でした。この制度を根っこから覆すには相当な準備 期間が必要です。 何故なら中高年の方々は、安い給料で働いてきて、漸く給料が上 がってきたのです。 多少余裕のある生活になってきて住宅ローン、教育ローンを組 んだと思ったら、成果主義だ何んだといわれて、自分達の給料をやり玉に上げられた らたらどう思うでしょうか。 そもそも政治家は世襲が多く、親から基盤をそのまま引き 継ぐ方が多いのが実情です。安倍総理もその一人であると認識しておりましたが、そ の方から何の根回しもなくそのような発言が出ることは如何なものかと思います。
女性や若者の支持を増やそうとのお考えもあるのでしょうが。 ご自身の内閣では 小渕経済産業大臣が金銭トラブルでわずか1カ月で辞任となり、松島法務大臣も同 時辞任(ナイスタイミング!)となりました。 女性の登用も結構ですが、海外からの指 摘に対応して、有能な人材の中から適材適所で選択したらそれがたまたま女性大臣 であったなら何も問題はありません。 ところが今の内閣には、能力は別として、女性 議員の中から選別したらこうなった・・・的な大臣・閣僚の登用になっているようです。
この問題は大企業にも最近顕著に見られる傾向です。 外資系企業などで従来か ら能力主義でやってきた会社なら問題はありませんが、海外からの指摘で、女性の役 員の数値目標を掲げている企業も増えてきました。 私はこのような不自然な抜擢は 企業の寿命を短くするものと考えます。
話は戻りますが、年功給は間違いではありません。運用の問題です。経営者は、社 員の人生に責任を持ちます。 独身の社員はやがて結婚する人も出てくるでしょう。 子供が多数生まれなければ日本の将来は暗くなります。 そのような現状では35歳く らいまでは緩やかな昇給は不可欠です。 一定の年齢になった時に、将来幹部を目 指すのか、スペシャリストになりたいのか、チャレンジもせず、大過なく過ごしたいの かで、当然条件は変わってきます。
その時に一定の給料を保障しながら、能力給のウェイトを引き上げていけばよいので す。 また一定年齢で役職定年を設けて負荷を解き、給料もそれに合わせて多少 減額できる仕組みを作っていくべきでしょう。