年長者だからこそできる配慮とは?

query_builder 2013/07/20
人事労務編

今年の4月から高齢者雇用の法改正が行われました。いよいよ定年延長への布石 である65歳までの雇用の延長が義務化され、更に61歳までの雇用に関しては有条 件を撤廃し、全ての希望者は再雇用しなければならなくなりました。 経営者の悩み は、全ての60歳到達労働者を雇用するという点に集約されています。 ところが私の コンサル経験で言わせていただければ、定年が65歳であろうが70歳であろうがある いは定年がなかろうが、「何が問題なのですか?」ということにつきます。 いつもこの ことでお悩みの経営者さんに、「それでは御社はどんなに気に入らない社員さんがい ても解雇はされず、定年までお雇いになるのですか?」とお尋ねします。 すると大半 の方は、そのようなことはないとご回答されます。 では何故この問題でこれほど悩ま れるのでしょうか・・・・。

それは日本人特有のなんとなくの「気分」に左右されていらっしゃるのです。

人間とは、「何か」をできることを当然と考えている節がありますが、できないことが あると不幸と捉えます。 高齢者や障害者との接点で分かることは、人間にとっては できることの方が、できないことよりもはるかに多いということです。 目の前に一つの 問題が起きた場合、自分に経験のあることはさらりと解決してしまいますが、未経験 の問題には躊躇し、腰が引けてしまうのです。

私のコンサルでは、過去の経験から予測される近未来に発生するであろう事象を お伝えするように心掛けています。人間は一度でも脳の中にイメージできたことは、 その問題に直面すると、潜在意識の中から経験値を堀り起して、その解決のために 活用することが出来ます。 先の読めない現代だからこそこの未来予測と、そこで直 面するであろう問題点の回避のための対策をお伝えすることは重要であると考えま す。

高齢者雇用の問題に戻りますと、経営者の悩みは、柔軟性がなく、頑固な高齢者 が及ぼすマイナス面をことさらにイメージして、再雇用や定年の延長にネガティブな 対応をされるようです。 ところが、私の経験では、貢献したかどうかは別として、20 年も30年も一つ所で働き、会社に忠誠を尽くしてくれた高齢者の方をどのように使う かによって、場合によっては会社の第2創業期、第3創業期を迎えられるのではない かとさえ感じることが多々あります。 高齢者は長く生きてきていますので頑固な反面、 自分達の信じていた価値観が変われば大きく変化してくれます。

要はやり方です。 高齢者と面談するときに、高齢者の言い分を十分ヒアリングし たうえで、彼らに変化を促します。昔から「老いては子に従え」といわれますが、どうし ても年少者が子供に見えてしまう方が多いようです。 人間関係を阻害する要因は、 謙虚さを失った上から目線の感覚です。 高齢者には変化の時代に生きてこられた 最後の仕上げをしていただくつもりで、最後のご奉公を求めましょう。


<高齢者指導のポイント>

① 年長者は自分の最も輝いていた時代の記憶と経験を年少者に語るものである との前提に立ち、年少者との価値観共有が、高齢者雇用の重要課題であること を理解してもらいます。

② 60歳から30歳を見る場合の注意点の指導事例として、この場合年長者は年少 者よりも30年余分に生きています。 年長者に意識させるポイントは、双方が 共有している直近の30年の価値観の範囲内(下記の有色部分)で若者と接して もらうことです。 それ以前の30年では、若者にとっては未体験ゾーンであり、 イメージも湧き辛く、自然と拒否反応が出てきて、価値観共有ができなくなりが ちです。 年長者には、例えば対象者が20歳であれば、直近の20年の共有し た時間の範囲内で接するよう努めてもらいます。

非共有の30年 共有の30年
30年 30歳の社員
60歳の社員

変化の時代には昔の成功体験が邪魔になることも多々あることを理解してもら います。

③ 高齢者の使い勝手の悪さの第1位の要因である、頑固さや融通の利かなさを 排除し、意識改革を促すことによって、高齢者雇用制度のリストラクチャリング (再構築)を実行します。

④ 働けるうちは会社に貢献してもらえるよう、60歳までは「自分のため」に働いて もらい、60歳以降は「世のため人のため、会社のため」に働いてもらえるよう、 社内における高齢者ルールの設定を早目に行い、定着させます。

⑤ 年を取っても楽しく前向きに仕事をする人の評価を徐々に高めていくようにして いきます。

⑥ 最終的に高齢者雇用規程や、解雇に関する条文の補足、強化、高齢者の評価 制度の作成も必要です。

若年層に求めることと、高齢者に求めることは、今後は少しずつ変わってくるものと 思われます。それぞれ明確にしておくことをお勧めします。

一方で、まだまだ能力を発揮できる高齢者が沢山います。 潜在能力では世界一 でしょう。 経営者の皆さんは、そのような彼らを甘やかさないでいただきたいと思い ます。 むしろ彼らには将来に、もっと貢献してもらわなければならないと考えます。 彼らには消費の面でも、日本の経済に貢献していただかなければならないのです。 健康で、働く意欲があって、経験豊富で、やる気のある人をリタイアメントさせるのは 愚の骨頂です。 彼らを有効活用していきましょう。


私は、アベノミクスで景気が回復しているのではなく、団塊ジュニアが景気を下支 えしているから、何とか景気がもっているのではないかと考えています。 経営者の皆 さんは、これからの激動の時代を、何とか自力で生き残っていただかなければならな くなります。 頼りにならない政党や政治家に会社の運命を委ねていては、会社の明 日は無くなってしまいます。 頑張っていらっしゃる経営者を、少しでもご支援ができる よう、我々も成長していきたいと思います。

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