仕事(目の前のこと)にはベストを尽くす
最近、お客様の社員さんと面談させていただくことが増えてきております。皆さん 様々なことでお悩みをお持ちです。 本音を探っていきますと、割と多くの人が実に安 易に会社を辞めようと思っていらっしゃることに驚かされます。その多くは、原因は外 部、つまり自分以外にあると考えていらっしゃいます。 そのようなケースで私がお話 しすることは、ご本人が原因と考えている部分に焦点を当て、凝り固まったその方の 視点を別の角度から見ていただくことです。 別の角度から原因を見つめるイメージ を持っていただくことによって、多くの方が、「自分は利己的であった」、「一方的な見 方をしていた」 と気づいてくださいます。
普段は滅多に社員の立場の方の労働問題の相談は受けないのですが、お客様の 身内などで、特に依頼されて面談や電話による相談を受けさせていただくことがあり ます。
その中でも、最も多い事例が、
① 会社を辞めさせられることになった
② 経営者に嫌われたようだ
③ 私は悪くない、腹の虫がおさまらない
④ 不当解雇に該当するので、会社を訴えたい
⑤ いくら位相手からお金を取れるか教えてほしい
といった流れになります。 これは、一般的に当社がお客様からお受けするご相談の 内容と正に一致するものです。
このような場合、私は、最初は相談者のガス抜きを行うためにその方のお話に同 調し、むしろ私の方が怒りのエネルギーを放出することによって、自分を相談者と同じ 気持ちになるようにします。 すると相談者は少し落ち着いてきます。 その段階で、 実に多くの方が同じような悩みを抱えていることを情報としてお伝えします。 そうす ると悩みを抱えた相談者は、苦しんでいるのは自分だけではないのだと安心し、冷静 になってきます。 相談者の怒りを放出させることが出来れば、そこからは、上記①~ ⑤を今度は相手の立場で考えるように促します。
労働問題の実に多くがコミュニケーション障害やちょっとした思い違いを放置したた めに起きています。 古今東西の歴史の中で戦(いくさ)に負けるパターンと驚くほど 共通しています。
<負ける人(負け戦)の敗因(原因)>
① 情報不足 ②慢心 ③思い込み
更に判断の基準は好きか嫌いか(損か得か)となっています。
問題の解決を図るうえで最も大きなポイントは、本人が問題だと認識していること が、実はたいした問題ではないのだということを理解してもらうことです。 原因が相 手にあると思っているから怒りをコントロールできなくなるのです。 その原因が実は 自分の情報不足による思い違いであったことが分かり始めると、徐々に怒りの感情は 鳴りを潜め、贖罪や反省の感情が湧いてきます。人は自分の鏡であり、自分が「嫌い」 という感情を持つと、そのエネルギーは必ず相手に伝わります。そして実害となって 自分に返ってくるのです。
このあたりまでご理解いただくと後はスムーズに流れていきます。
<例>
① 「今後もこの地域でお住まいになるのですか? もしそうであれば、仮に慰謝料 や損害賠償金を200万円とれたとしても、残りの人生40年:480か月で考えて みると、1日あたり140円弱ですね」
② 「1日ペットボトル一本と引き換えに、このエリアで嫌な噂を立てられたり、会社 の人とスーパーなどで出会うたびに、相手を避けたり、不快な思いに襲われた り・・・割に合わないですね」
③ 「ここは大人になって、笑顔で「お世話になりました!」と言って、立つ鳥跡を濁 さずを実行したら、相手は、「しまった、良い人材を失った」といったことにはなら ないですかね・・・」
今まで数十名のご相談をお受けしましたが、会社を訴えた人は今のところ一人もい ないようです。 次に会社を辞める際の重要なポイントをお話しすることが必要となってきます。
社長は会社を辞めることが出来ません。その意味では誠に気の毒です。 一方、社 員はいつだって辞めようと思えば辞められます。 いつも退路は開かれているのです。 それだけに大した努力もせず、安易に辞めてしまいます。 ところが、「楽あれば苦あ り、苦あれば楽あり」の諺(ことわざ)の通り、転職、転職でステップアップどころか、ス テップダウンしていく方が後を絶ちません。誠に気の毒です。
会社には<辞め時>というものがあります。それは誰がしても同じ条件下において、 他人がどうこうではなくて、会社の問題がアレコレではなく、その中で
① 「自分の能力をどこまで発揮出来たのか?」
② 「本当の自分(良心)を納得させることが出来るか?」
③ 「本当に自分は最大の努力をしているのか?
(ベストを尽くしたのか?)」
が、最大の焦点となります。 要するに、自分自身との真剣勝負をすること、或いは してきたかということが重要なのです。
この①~③を継続して実践していくと、自分が順調に仕事で伸びていくか、或いは 卒業時期に近づいてきて、そこを辞めるのかとなってきます。 ①~③の実践の延長 線上で辞めることになった場合の特徴は、「まったく悩まない」ことです。
私が6年前に大企業を辞めることになった時も、辞める時期が来たとの運命からの メッセージを受け取りました。辞めると決めて一晩だけ考えましたが、寝ているときに、 <辞めるんだ!>との強いメッセージを潜在意識から何度も受けました。 普段慎重 な自分が、不思議なほど前向きな気分となり、朝起きた時には頭がすっきりとし、先 のことへの不安は全くなく、「ああ、辞めよう!」と思えました。 その時には、仕事はや り切ったという達成感とともに、これっぽっちの後悔もなかったことを覚えています。
人は、<辞め時>がきたとき、どんな形であれ自分が本当にやり切ったならば、悩 まずに辞めることが出来るようです。
だから転職を「悩む」ということは、その時点で、
①まだまだリスクもあるし、
②その職場で自分がまだヤリ切ってはいない証拠であり、
③自分が逃げていると認識し、
④自分の本心(良心)が許してはいない と受け止め、転職を思いとどまった方が良 いとのメッセージであると認識すべきです。
本当の<辞め時>とは、
① その仕事に全身全霊をかけて、ベストを尽くしている時であり、
② 既に次にやるべきビジョンが明確であり、
③ 自分と自分の将来に対して揺るぎのない信頼感を持っている状態 の時です。
<今、目の前にあること、今、目の前にいる人に全力を尽くしましょう。
道が開けます!>