逆境こそが自らの殻を打ち破る力に!?
3月の中旬のこと、私は北九州でセミナーの 講師を終了し、小倉の駅近くのコンビニで地 元でのみ販売している名物“揚子江の豚まん” を購入しました。普段は買い食いはしないの ですが、その日は何故か気分も晴れやかであ ったことから、銀河鉄道777のメーテルの銅 像横のベンチに座り、好物の豚まんの袋を開 けました。するとそこに数羽の鳩が餌をもらう ために寄ってきました。この豚まんはニンニク と油が強烈で、食べるのにコツがいります。慎 重に一口食べていたところ一羽のハトが私の 靴の上に・・・。やけに馴れ馴れしい鳩だなと思い警戒していると、なんとこの鳩が私 の手の上に飛んできて大切な豚まんをつつき始めました。私は思わず動揺し、鳩を 振りほどいたのですが、鳩は離れません。そして気が付くと私のクリーニングしたての スーツはニンニク交じりの油をもろに浴びて強烈な匂いを発しているではありません か。すごく悲しい気持ちでスーツをカバンの中にしまい込み、寒風が吹き、うすら寒い 中、豚まんなんて買わなければよかったと後悔しつつ、カッターシャツ一枚の姿で残 りの豚まんをほお張りました。まだ私から離れないこの馴れ馴れしい奴に豚まんの皮 を千切って与えていたところ、彼の両足がないことに気づきました。
彼のこの一連の動きは、生きていくための手段でした。思わず写真を撮ってしまい ました(上記写真)。彼は他の鳩と同じことをやっていたのでは生きていけないのです。 しかし彼の目を見ていて、自分を不幸な存在とはこれっぽっちも考えていないことが 伝わってきました。ただ仲間よりも歩くのが遅く、群れの中でまともにやっていては餌 にありつけないのでしょう。他の仲間と同じように人間を警戒(上記写真)していては 飢えて死ぬだけです。生きるために危険を顧みず、人間に近づくことで彼はこの逆境 の中で餌にありつくことが出来たのです。この瞬間に多くの悟りに近い気づきが脳の 中に沸いてきました。この日私が多くの方の前で講演を行い、お伝えしたことよりも多 くのことを、この一羽の鳩から教えてもらいました。彼から教えられたことを今後多くの 若者たちに伝えていかなければならないことを感じた出来事でした。
(ブレイクスルー思考:目の前にある壁(問題や障害物)そのものに価値を見出し、す
べて「順調な試練」として受け止めることにより、その壁を自分の中に吸収しながら成
長をはかり、一見閉じられているかのように見える状況を楽々と突破していくような発
想法。)