育児・介護休業法/次世代育成支援対策促進法の改正ポイント

query_builder 2024/07/10
寺子屋
育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法が5月に改正され、今後段階的に施行されていきます。また育児休業給付金の延長についても改正がありますので、 ポイントを簡単にご説明いたします。
【1.子の年齢に応じた両立支援の拡充】
子が3歳になるまで 子が3歳以上 小学校就学前まで 子が小学校3年生修了まで
施行日:令和7年4月1日
*テレワークが選択できるようにすることを努力義務化*所定外労働の制限(残業免除)の対象を拡大(義務)*子の看護休暇制度の取得可能な対象となる子の範囲が拡大。 また取得理由も「感染症に伴う学級閉鎖等」や「入園(入学)式、卒業式」を追加し、取得理由も柔軟な対応となる。 労使協定により制度利用を除外できる労働者については雇用期間の制限が撤廃され、週の所定労働日数が2日以下という条件のみとなります。
施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日
労働者の仕事と育児の 両立に関する個別の意向聴取・配慮が事業主の義務となる。*フルタイムでの柔軟な働き方ができるように、事業主は以下から2以上の制度を選択して措置を講じなければならず、労働者はそのうちの1つを選択することができるものとすること ①始業時刻等の変更 ②テレワーク等(10日/月)の導入 ③保育施設の設置運営など ④新たな休暇(10日/年)の付与
⑤短時間勤務制度


現行の対応に追加される点、変更点をまとめたものを厚生労働省がイメージ図として掲載しています。
★をつけた対応は来年の4月から適用となりますので、規程や社内書式の見直し、運用ルールを決定するなど、早めの対策が必要です。

(参考)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

【2.育児休業取得状況の公表義務が300人超えの企業に拡大
従来は従業員数1000人超えの企業までが公表の対象となっていましたが、令和7年4月1日以降は従業員数300人超えの企業に拡大されることになりました。
(参考)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/000103533_00006.html

【3.介護離職防止のための個別の周知・意向確認、 雇用環境整備等の措置が事業主に義務化】
育児休業に関する個別周知・意向確認については、令和4年4月に、事業主に義務化されていますが、こちらと同様に、介護休業に関しても令和7年4月から個別周知・意向確認が義務化になったという内容です。
両立支援制度を利用しないまま介護離職に至ることを防止するために、制度の周知や雇用環境の整備を行うことが求められます。



【1.法律の有効期限が延長】
令和7年3月31日までとされていた次世代育成支援対策促進法の 有効期限が令和17年3月31日まで延長されました。これに伴い、「くるみん認定制度」も延長となります。
(参考)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11367.html

【2.従業員100人超えの企業は、育児休業取得等に関する状況把握・数値目標設定が義務化】
※施行日は令和7年4月1日
ただし、施行日以降に開始または内容の変更をする行動計画からが義務の対象となります。  
一般事業主計画策定時に下記2点が義務付けられます。
*男性の育児休業取得状況やフルタイム労働者の各月ごとの時間外労働や休日労働などの労働時間の状況把握
*上記内容に関する数値目標の設定
厚生労働省「育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法改正ポイントのご案内」
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001259419.pdf


令和7年4月1日より、「育児休業給付金」の支給期間延長条件の見直しが行われます。
【1.育児休業給付金とは・・】
育児により仕事を離れることなく、雇用の継続を図るため、原則子が1歳に達する日までの間、労働者の希望により取得可能な休業(育児休業)を取得した労働者に対し支給される給付金のこと。 ただし、子が1歳に達した日後の期間について引き続き休業することが必要と認められる場合(※1)には1歳6か月または2歳に達する日まで受給することができるとされています。
1)引き続き休業することが必要と認められる場合とは、育児休業の申出の対象となる子について、保育所等の利用申し込みを行っているが保育所に落選、預け先が見つからないという場合や1歳に達する日または1歳6か月に達する日の期間に子を養育するものが死亡、疾病、負傷などにより養育することが困難となった場合とされています。

【2.改正に至る背景】
この給付金の延長要件の一つである保育所の利用を希望しながら入所ができない場合、という点で、実際には保育所等への入所意志がないにも関わらず、育児休業給付金の延長のために保育所への申込を行う者(いわゆる落選狙い)への対応や、意に反して保育所への内定が決まった方からの苦情対応に時間を要していることが自治体の負担増加につながっていることから、今回見直しが決定されました。
改正後は、自治体発行の入所保留通知書以外にも、本人の申告内容(職場復帰を早くするために保育所の利用を希望している旨の申告書)の内容に基づき、ハローワークにおいて延長の適否を判断することになります。具体例でお話しすると、合理的な理由もなく自宅や勤務地から遠方の保育所に申し込みを行っていないか、また、自治体への利用申込の際、入所保留を希望していないか等が、審査の対象となります。
この改正は、令和7年4月1日に施行され、子が1歳に達する日又は子が1歳6か月に達する日が施行日(令和7年4月1日)以後となる被保険者が、育児休業給付金の期間延長を申請した場合に適用されます。 改正される新しい要件に注意し、準備されることをお勧めします。
(厚生労働省HP)
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001224973.pdf

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