法改正情報:介護離職をなくそう!

query_builder 2024/11/08
労務相談QA
当社の管理職が、突然でかつ複数名同時に、「家族の介護が必要になった。どのような働き方ができますか?」と相談がありました。もちろん、採用難でかつ社員定着率にも難儀する今日この頃、介護離職となっては困ります。 


育児・介護休業法では、「働く人の仕事と介護の両立」のための各種制度が 定められています。ここでは、来年度の法改正情報を踏まえて、お伝えいたします。 




昨今、「介護離職」という言葉を耳にすることが増えてきました。「介護離職」をできるだけ避け、仕事と介護を両立するためには、働く人が介護に直面したとき又は介護を行う前には、何をすればよいでしょうか?家族を介護するという状況は、誰もが急に訪れる可能性があります。ここでは、介護をしながら働き続けるためのポイントを来年度の法改正情報を踏まえてご紹介いたします。

育児介護休業法における「働く人の仕事と介護の両立」のための各種制度の概要は、下記の通りです。
制度 概要
介護休業 労働者は、申し出ることにより、対象家族(※)1人につき通算93日まで、3回を上限として、介護休業を取得することができます。
介護休暇 対象家族が1人であれば年に5日まで、2人以上であれば年に10日まで、時間単位でも取得できます。
所定労働時間の 短縮等の措置 事業主は、①短時間勤務制度、②フレックスタイム制度、③時差出勤制度、④介護サービスの費用助成のいずれかの措置を講じなければなりません。
所定外労働の免除 要介護状態にある対象家族を介護する労働者は、所定外労働の免除を請求することができます。1回の請求につき1月以上1年以内の期間で請求できます。介護終了までの必要なときに利用することが可能です。
法定時間外労働の制限 1ヶ月に24時間、1年に150時間を超える時間外労働が免除されます。
深夜業の制限 深夜業(午後10時から午前5時までの労働)が免除されます。
転勤に対する配慮 事業主は、就業場所の変更を伴う配置の変更を行おうとする場合、その就業場所の変更によって介護が困難になる労働者がいるときは、その労働者の介護の状況に配慮しなければなりません。
不利益取扱いの禁止 事業主は、介護休業などの申出や取得を理由として解雇などの不利益取扱いをしてはなりません。
※制度を利用できる労働者:勤務先の業種や規模にかかわらず、原則として要介護状態の「対象家族(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫)」を介護する労働者が対象となります



【育児・介護休業法改正内容】(施行時期:2025年4月)


①   介護休暇の見直し   
② 介護両立支援制度等の個別周知・意向確認の義務化   
③ 介護両立支援制度等の早期の情報提供の義務化   
④ 介護両立支援制度等の利用しやすい雇用環境整備の義務化   
⑤ 介護期の在宅勤務等の努力義務化


介護休暇の見直し

労使協定で制度利用の対象外とすることができる労働者の要件が見直しされ、
今まで☞ 「継続して雇用された期間が6カ月未満の労働者」を対象外にすることも可能だった。
法改正後☞「継続して雇用された期間が6カ月未満の労働者」を対象外にする要件が撤廃される。
介護両立支援制度等の個別周知・意向確認の義務化

対象家族が介護を必要とする状況に至ったことを労働者が申し出たときは、介護休業に関する制 度および介護に関する両立支援制度等の利用について個別に周知するともに、それらの利用につ いての意向確認が義務づけられます。

(1) 個別周知する事項

・介護休業に関する制度 
・介護両立支援制度等 
 【介護休暇】【所定外労働の制限】【時間外労働の制限】
 【深夜労働の制限】【介護のための所定労働時間の短縮等】
・介護休業・介護両立支援制度等の申し出先
・介護休業給付金に関すること
(2)個別周知・意向確認の方法

①面談 ②書面の交付 ③FAX ④電子メール等の送信
※③④は、労働者が希望した場合に限る。
介護両立支援制度等の早期の情報提供の義務化

(1) 情報提供の時期

①40歳に達した日の属する年度期間中
②40歳に達した日の翌日から起算して1年間
(2)情報提供を行う事項<周知・意向確認と同じ>

①介護休業に関する制度
②介護両立支援制度等 
 【介護休暇】【所定外労働の制限】【時間外労働の制限】 【深夜労働の制限】
 【介護のための所定労働時間の短縮等】
③介護休業・介護両立支援制度等の申し出先
④介護休業給付金
※介護保険制度についても併せて知らせることが望ましい。
(3)情報提供の方法

①面談 ②書面の交付 ③FAX ④電子メール等の送信
※周知・意向確認と違い③④は、労働者の希望を条件としておらず、一律に③④の方法でも可能。
護両立支援制度等の利用しやすい雇用環境整備の義務化

次の内容のうち1つ以上の措置を実施する必要があります。
<雇用環境整備の内容>
介護休業および介護両立支援制度等にかかる研修の実施
介護休業および介護両立支援制度等に関する相談体制の整備
介護休業の取得および介護両立支援制度等の利用に関する事例の収集と事例の提供
介護休業制度、介護両立支援制度等および介護休業の取得および介護両立支援制度等の利用の促進に関する方針の周知
介護期の在宅勤務等の努力義務化

在宅勤務が可能な業種におかれましては、この機会にご検討ください。

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